同じころイザベラ島にいたガラパゴス博士は、 「あれは私がゾウガメ君とイグアナ君とで午後のお茶を楽しんでるときだった。なんの前ぶれもなくいきなり東から突風が吹いてきたんだ。ゾウガメ君とイグアナ君は風に吹き飛ばされていった。私は運良く近くの岩かげにかくれることが出来たんだ。岩かげに身をよせていると、ペリカン君やカモメさん、それにオットセイ君までもが風に吹き飛ばされていくのが見えたよ。それから、誰かペンギンに『助けてくれ!』っていわれたような気がしたっけ、あれは空耳だったのかなあ?あとで風に飛ばされたゾウガメ君を見つけて島にもどすのには苦労したんだよ!」 だって。一番たいへんだったのはやっぱりコガタペンギン君だった。 「わっ、私めはフンボルトさんにいわれたとおり、いかだをおさえるために、ものすごい強い東風が吹くなか、それにへばりついていたんですよ!そうしたら今度は津波がおそってきたんです。大きないかだはそれでバラバラになっちゃったんですよ。突風が吹いてるのに陽がてってるからバラバラになった太陽電池がバチバチ、ショートしはじめたんです。私めはアワくって海深くもぐって難をのがれたんですよ!あともう少しで感電して死ぬところでしたよ!」 フンボルトさんが扇風機の電線を切ったから、ようやく強い東風がおさまったんだって。 |