「少しはがまんしなさいよ!ベンガルトラと戦いたいの?」

 しばらくしてフンボルトさんが、

「予定通り、そこら辺は冷えてきたわね。場所をかえましょう!コガタペンギン君、帆をはっていかりを上げて!」

って指示した。フンボルトさんはバカでかい扇風機をまわして、東風を起こして、いかだを動かしたんだって。そんなことを何回もくり返したんだ。ところがコガタペンギン君が、

「フンボルトさん!私めはもうあつくてあつくてたまりませんよ!カンガルーとボクシングをする前にこのいかだの上で焼き鳥になっちゃいますよ!」

ってうったえた。

「もうちょっとがんばりなさいよ…でも太平洋ってやっぱり広いわ!いかだで冷やすだけじゃあ、らちがあかないわよね。要するにウォーカー循環を大きくすればいいんだから、強い東風を吹かせてでもエルニーニョをおさえることができるのよねェ。コガタペンギン君、きいて!今から強い東風を起こそうと思うの。今は帆をたたんであるわよね?それじゃしばらくそこにとどまって、いかだが動かないようにおさえておいて!いい、わかった?」

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