「それじゃ、まずはいかだに帆をはって…それであっちの岸にある扇風機であたしが風を送るから、コガタペンギン君、あなたは風に乗って沖へでてくれる?あたしが無線で指示する場所にたどりついたら、帆をたたんでいかりをおろして、いかだが潮に流されないように見ていてほしいの。陽がでていれば勝手に太陽電池が電気を作ってペルチェ素子に電気を流すから、いかだは海を冷やしてくれるはずよ。今日は雲ひとつない絶好のひよりだわ!はい、これ無線機。これで指示を出すからね!」

 コガタペンギン君はフンボルトさんに無線機をわたされ、いかだに帆をはったんだって。フンボルトさんは5台あるバカでかい扇風機のうちの1台にスイッチを入れてまわしはじめた。ゆるやかな風が吹いて、帆をはったいかだはゆっくり動き出したんだ。まもなくフンボルトさんは無線で『帆をたたんでいかりをおろして!』ってコガタペンギン君にいいつけた。いかだは太陽の光を受けてウラ側のペルチェ素子に電気を流して海を冷やしたんだって。でもそのかわりいかだの表側、コガタペンギン君が乗っている方はものすごくあつくなってきたんだ。ただでさえも赤道直下で陽がじかにてりつけてる中、ペルチェ素子は海を冷やす一方でいかだの表側をあたためたんだってさ!コガタペンギン君はたえられなくて無線でいった。

「フンボルトさん、なんだかここはものすごくあつくて、焼け死にそうなんですが…」

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