「このいかだのおもてには太陽電池パネルがはってあって、ウラ側、海に面する方にはペルチェ素子がはりつけてあるの。太陽電池で起こした電気をペルチェ素子に流すと、それは冷たくなってくるの。それで海の温度を下げようってわけ」

「あれ?どうして海の温度を下げなくちゃならないんでしたっけ?」

「エルニーニョはここら辺の海水温度が上がっちゃうことなの。そうするとあなたは世界中の動物たちにうらみをかうことに…」

「あ〜あ!わかりましたよ!わかりました。でも、このいかだはたしかに大きいけれど、太平洋はこれとはくらべものにならないほど広いから海の温度を下げるっていっても…」

「まあ、それはそうなんだけれど…痛いところをついてくるわね!だけどエルニーニョが起こりかけてるのになにもしないわけにはいかないでしょ!千里の道も一歩から…もしも断ろうっていうのなら、世界中の動物たちが…」

「はい!はい!わかってますよ!私めはまだまだ長生きしたいですからフンボルトさんのいうことは何でもききますよ」

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