『銅像をたてたペンギン』
「旗をたてないと酸性雨が降ってきてジャイアントペンギンさんの銅像はどんどんとけちゃうんでしょ?やらなきゃしかたがないじゃない!」 ってケープペンギン君がさけんだんだ。おいらはビックリしちゃったよ。だって、ふだんおとなしいケープペンギン君があんな大声を出すんだから。 「もう、みんなであたしたちのじゃまをして…でもマカロニさん、じゃまが多いほど熱く燃えるものよね!」 「えっ、なにが…?」 「まあ、あたしのマカロニさんたらてれちゃって…」 ペンギンみんなで手分けして、エントツやクルマにちっちゃな旗をたてることにしたんだ。人間が旗を見てへんに思っちゃいけないから、なるべく気づかれないようにしてね。エントツのてっぺんに旗をたてるときは、飛行船を使った。クルマやバイクに旗をたてるときは夜中にこっそりと。みんなが旗をたてているあいだにケープペンギン君は銅像の雨よけに大きなカサを作って銅像にたてかけだ。そのカサは三角の小旗で取りきれなかった“酸性雨のもと”や”スモッグのもと“をお日様の力をかりてバラバラにするはたらきを持ってる特別せいだったんだ。だから銅像はとけなくなった。そして”酸性雨のもと”や”スモッグのもと“を出すものにあらかた三角の小旗をたてたんだ。そうしたらすっぱい雨は降らなくなったし、目もチカチカしなくなった。ケープペンギン君は、ジャイアントペンギンさんの銅像をなおして大きなカサをとっぱらったんだ。ケープペンギン君は銅像が前よりきれいになって、なんだかりっぱになったって大よろこびしてた。 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。エントツにペンギン印の三角の小旗がたっていたら、それはおいらたちがたてたんだよ! |