「あともうちょいで浮かびそうなのに。アデリー君よ!少しやせなさい」

なんてコウテイペンギンさんがいうんだ。

「そんなムチャな!」

っておいらは思わず叫んじゃったよ。そこでおいらは考えた。おいらのかわりにコガタペンギン君が飛行船にのってくれれば、エンペラー・ツェッペリン号は浮かび上がるんじゃないのかな。コガタペンギン君はおいらよりずっと小さいからね。でも、コガタペンギン君はすごくおくびょうなんだ。引き受けてくれるかどうか心配したよ。だから王様もさそってみんなで頼みにいくことにしたんだ。

 コガタペンギン君が住んでるフィリップス島へみんなでいってみると、いつも腰の低いコガタペンギン君はますます頭を下げて、

「これはこれは、みなさんおそろいで…いや王様まで、この私めに何かご用でも…」

というと、王様が頼んだんだ。

「君に飛行船にのってもらって、オゾンそうにつぎを当ててもらいたいのだが、君じゃないとダメなのだ。やることはそんなにむずかしくはないし…」

「王様じきじきのお願いとあっては、ことわるわけにもいきますまい!」

ということでコガタペンギン君がオゾンを作る機械をのせたエンペラー・ツェッペリン号にのったんだ。今度はおいらの考えどおり飛行船はふわっと宙に浮いて、それからどんどん空高く昇っていったよ。雲のはるか上へね!コガタペンギン君によると、オゾンそうの穴はものすごく大きくて、はじめはどうなることかって思ったそうだよ。けれど、フンボルトさんの機械が大活躍して穴をつくろったんだって。コガタペンギン君がいうには、

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