三日後、アホウドリ君は大きな袋をくわえてやってきた。

「約束の翼を持ってきたんだ。羽根をニカワでかためて…」

っていいながら袋の中から4枚の翼を出して見せてくれた。さっそくおいらはおじさんを呼んできて、三羽で氷山のがけっぷちに行ったんだ。両方のフリッパーに手袋のようにして翼をつけて、いざ!出発!!って飛ぼうとした。でも、がけがあんまり高かったから、足がすくんじゃった。それを見てとったヒゲペンギンのおじさんが

「まあ、これでも飲んですこし落ちつきなさい」

って小さなビンを差し出してくれたんだ。おいらは小ビンのキャップをあけてそれを一気に飲みほした。小ビンのなかみは少ししか入っていなかったけれど、急に口の中がすごく熱くなって、そのうちだんだん体中があったかくなってきたんだ。頭もクラクラしてきて…でも、気が付いたら、なんと!おいらはもう、おじさんとアホウドリ君のあとについて翼で空を飛んでたんだよ!!ほてった顔に冷たい風があたって気持ちよかった。下を見るとぐんじょう色の海、上はどこまでも青い空、ふりむくと雪と氷におおわれた白い大陸がちっちゃく見えた。空からのながめって、なんてきれいなんだろう!って感心していると、

「バッカヤロー!!どこ見て飛んでいやがる!」

あともう少しで、茶色いオオトウゾクカモメさんとぶつかるところだったんだ。

「ごめんなさい!おいら、今日はじめてこの翼で飛んだんだよ!まだなれてなくて…」

オオトウゾクカモメさんは身をひるがえして、

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