『翼で飛んだペンギン』
おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。
ある日、おいらはぼんやり空をながめていたんだ。アホウドリが一羽、気持ちよさそうに飛んでいた。おいらたちペンギンは鳥なのにどうして空を飛べないのかな?と考えていると、アホウドリがおいらの目の前にとまって話しかけてきたんだ。 「アデリー君!キミはいいなあ!海の中を自由に泳げてさ!鳥の仲間で一番泳ぎが上手なんじゃないの?あんなに速く泳げるんだったら、お魚なんかたくさんとれるんだろうね」 「そのかわり、おいらは鳥なのに空を飛べないんだよ」 「でも飛行船があるじゃない」 「あんなに大きなものを使わなくちゃあ飛べないなんて…もっと手軽に自由に飛びたいんだよ!!風を切ってスイスイと…」 「それにしても海の深いところはどうなってるのかなあ?」 「そんなにいうんなら、おいらのおじさんが潜水艇を持っているんだ。それに乗って海の深いところへ行けばいいんじゃない?」 |