そばにいたコガタペンギン君が、

「台風みたいなペンギン?」

ってきくから、

「フンボルトさんは、自分は台風の目だからいいけれど、そのまわりはいつも暴風雨。まきこまれるのはちょっと…」

っていったんだ。

「フンボルト台風ですか…なかなかうまい例えですね!」

「誰が台風みたいですってぇ!もう、しようがないわねー、それじゃあ、こうしましょう。ここにあたしが開発した“毛生え薬”があるの。この薬を少量飲めば、たちどころにマカロニさんみたいなサラサラな髪が生えてくること間違えなし。ただし、どんな副作用があるのかわからないのが欠点なの。これを試してみるか、菜の花畑を作るのを手伝うか、二つにひとつ、どっちがいい?」

ってフンボルトさんは薬のビンを差し出した。

「いきなりやってきて、そんなのどっちもいやだよ!」

「どっちもいやだなんて、もう、あんたってペンギンはわがままなんだから…」

「わがままって、どちっが?!」

つぎへ、

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