新しい運転手さんはKちゃんから降りてデパートに入ってゆきました。Kちゃんが小一時間、駐車場でうとうとしながら待っていると、新しい運転手さんが大きな箱ひとつとレジ袋ふたつを抱えながら戻ってきました。うしろのドアを開けて抱えてきた買い物をトランクにしまいました。それから、新しい運転手さんはKちゃんの左前へ行き、さっきおうちにこすり付けた時に出来たキズのほこりをきれいな布でふき取りました。そしてキズの上に緑色の絆創膏みたいなものを貼り付けました。これでキズ痕も目立たなくなりました。

 みどりのKちゃんと新しい運転手さんは帰路につきました。帰り道、渋滞に巻き込まれてしまいました。さっきからまったく動きません。ここは二車線の道路。Kちゃんは右側の車線にいました。あれれ?どうしたことでしょうか?なぜか左側の車線ががら空きです!そこでKちゃんは左の車線に移りました。ずいぶん、Kちゃんも新しい運転手さんも運転に慣れてきたみたいです。左側の車線を行くと、見慣れない緑の看板が見えてきました。気にせずさらに進むと、なんと右側の車線と別れ離れ!Kちゃんが走っている車線は急に一本道となって、気がついたら、ゆるい坂をあがりながらぐるぐる回っています。坂をあがりきったところには三軒ほど小さな小屋が建ちならんでいました。そうです!なんとみどりのK ちゃんはまちがえて高速道路の入り口に入り込んでしまったのです!

「ねえ!高速道路なんてボクにはまだ早いよ!出口を見つけて元に戻ろうよ!これじゃあ、早く帰ろうとしたのにものすごく遠回りしちゃうよ!」

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