機内食も続くとくどくなる。何かさっぱりしたものが欲しいな、と目に止まったのがディナーに付いてきたブドウ。
ん、これはおいしい!でも3個しかない。貴重な2個目。あれ、この種少し感触がおかしいぞ。
ま、まさか、である!ブドウよりも貴重な私の前歯が折れちゃった。何故?何故にあなたはブドウの種なんかで折れてしまったの?

隣の妻に、歯が折れた!と口から出してみせた。なのに妻はムッと怒ったような顔。私は何も悪いことしていませんって!
あとでわかったのだが、最初に口から取り出したのはブドウの種。それを見た妻はいいかげん眠いのにこのバカパパはまた悪い冗談を!と思ったのだそうだ。
かわいそうな前歯ちゃん。そっとビニル袋に。そう、大事な化石の標本のようにしまうことにしましょ。そしてハミルトン島で瞬間接着剤を買ってくっつけちゃおう!
さあ、そうして着陸準備。入国の書類の確認です。
えーとまず、薬物の持ち込み、食べ物の持ち込みはちゃんと申告しましょう。機内でオーストラリア産のチーズが出で余ったのでこれは大丈夫かな?とおもったら、しっかり機内放送で念を押されてしまった。機内食はすべて置いていけ、と。さて、動物の標本や体の一部も申告、骨なども含む、あらゆる形態のものも含むだって。
ということは、‥‥‥あの折れた私の前歯も該当するの?読めば読むほど該当するような気がしてきた。
半分本気で、折れた歯の標本?を申告すべきか否か最後まで迷ったのである。