梨園の土づくり

 美味しい梨を作る上で大事なことは、梨の樹を健康に保つ事です。就農当時「トレンチャー」で樹間に溝を掘り有機物を投入していました、是は悪い結果を生みました。最初に現れた症状は樹勢の低下、太い根まで切ってしまったためです。根を切る事は樹の為には絶対いけないと覚りました。その後の症状は「モンパ菌」による立ち枯れです、投入した不良な有機物が有用微生物や有用菌を抑え「モンパ菌」が増殖したと考えられます。当時はトレンチャ―で「断根」後、堆肥や稲わらなどの有機質のモノを投入する事により新しい根の発生を促し、樹勢が高まると指導されていました。しかし投入するモノに関しての考察と指導は無く、熱心に実施した園ほど「モンパ菌」による被害が多いようです(地下水が停滞せず、水の循環が良い所は発生しにくい?)、この事は近隣の視察先でも聞かれる事です。しかし「モンパ菌」による立ち枯れまで10年以上経過、因果関係を証明する事は出来ません。現在「モンパ菌」を押さえ込む確かな方法は有りません、そこで現在の私の行なっている事は「根を切らない」「元の解からん堆肥は使わない」を基本にしています。

発酵豚糞(近所の養豚場から) 菜種粕 カキ殻石灰 有機質が多く配合された肥料
草生栽培は緑肥としての還元、土の硬化を押さえる、土の乾燥調整などの有用性が考えられます。特に「ライ麦」の根は、地中深く伸びるため、樹根の成長を助けるようです。
乗用草刈機を使っての草生栽培 ライ麦草生
 グロスガン(深土粉砕機)
 エアーハンマーにより地中60cmまでパイプを打ち込み、その後圧力8kの空気を一気に放出し耕盤を粉砕し、同時に肥料を地中に入れることも可能です。この方法は根を切る事は無く、軟らかくした土は根の伸長を促すと考えます。
 トラクターで耕運
 グロス・ガン作業後(この時配合肥料を打ち込む)、元肥として発酵豚糞、菜種粕を播き6〜7cmで耕運、翌年3月中旬から毎月の分肥とします。