青海チベット鉄道

2006年03月20日

青蔵鉄路(青海・チベット鉄道)開通
 慶賀 2006年7月1日青海・チベット鉄道の営業試運転が行われ各地から1番列 車がチベットのラサへ向かった。
 7月2日0時31分初めてチベットへ向かった"青1"次列車が無事ラサ駅に到着し た。"青1"次列車は7月1日11時05分ゴルムドからラサへ向かって出発。全工程1 142kmを13時間26分かけてラサに到着した。

ラサ駅に到着した1番列車(ph/by新華社)

2006年7月1日ゴルムドを出発する慶祝一番列車。(ph/by新華社)


青海・チベット鉄道
 
  06年春の青海チベット鉄道(ph/byCCTV)
 世界で海抜最高、距離最長の鉄道――青蔵鉄路(青海チベット鉄道)が2005年 10月15日全線開通した。青海チベット鉄道は西寧―ラサ 1,956kmで、全線完 成祝賀会が、10月15日ラサで盛大に行われた。2006年3月から貨物輸送で試運 転が始まり7月から客車運行の全線試運転が始まる。
 すでに青海・チベット鉄道へのスタートは、青海省の西寧からツァイダム盆地の 格爾木(ゴルムド)へと80年代初頭に鉄道が通じていた。チベットのラサまでの駅 の数は大小34といわれているが、主要な駅は格爾木の次は南山口(ナンシャン コウ)―不凍泉(ブドンチゥエン)―五道梁(ウーダオリァン)―沱沱河(トトホ-)― 唐古拉(タングラ)―安多(アムド)―那曲(ナクチュ、ナーチュー)―当雄(ダムショ ン)―羊八井(ヤンパージン)―拉薩(ラサ)の各駅である。ゴルムド〜ラサ間の全 長は1,142km。
  この区間は崑崙山脈の東段にあたり、崑崙峠の連なりに玉珠峰(6178m)がそ びえ、崑崙山トンネルをすぎてから西方、つまりラサへ向かって進行方向右手に は、野生動物のパラダイスと呼ばれる可可西里(ココシリ)自然保護区がある。チ ベットカモシカ、チベット野ロバ、蒙古ガゼル(羊)などの貴重な生活区域である。 また進行方向左手のはるか東方は黄河の源流地帯である。
 風火山トンネルはココシリ自然保護区に近い五道梁〜秀水河をすぎてのトンネ ルで全長1,386m。海抜4,905mで世界最高所にある凍土トンネルである。清水河 特大橋は不凍泉(ブドンチュアン)と楚瑪爾河(チュマルホー)の間にあり全長 11703.62m。
 不凍泉―五道梁―沱沱河―唐古拉までは長江の源流地帯で、通天河の最上 流は長江の源頭であるグラタンドン峰がそびえる。
 海拔5068mの唐古拉駅は世界最高所。 

     青海チベット鉄道略図(新華ネット 西藏頻道より)
 新華社電によれば、青海チベット鉄道(ゴルムド〜ラサ間)は全長1,142km中、海 抜4,000メートルを超える区間が960kmに達し、鉄道の最高海抜地点は唐古拉山 口を越える5,072メートル。沿線の地質は非常に複雑で、半永久凍土区間だけで 550kmに達する。
 ゴルムド〜ラサ間の運賃は国の統一運賃によれば、2等車、2等寝台、1等寝台 に分けられ、1人1kmあたり0.09元、0.10元、0.16元となっている。1等寝台だと日 本円で2,700円くらいとうところか。
  旅客列車は、4千mを越える高原地帯を行く乗客の健康と安全のため、二重ガ ラスによる密閉式の風防ルームを車両と車両の間に設け、低気圧と酸素不足に よる高山病の緩和に対処する。もちろん車内空調でも酸素調整を行い、かつ各車 両には必要時に酸素を吸えるよう器具を設置する
 列車は14両編成、ラサへ夕方着
  青藏鉄路公司(青海チベット鉄道会社)の馬保成副総経理(副社長)が新華社記 者に語ったところでは、青藏鉄路公司は青海チベット鉄道旅游計画と鉄道部(省) の手配により、今年7月1日青海チベット鉄道の全線開通試験営業後、さしあたっ てラサ行きは4ルートを決める。
  この4ルートはラサ―北京、ラサ―成都、ラサ―西寧およびラサ―上海(広州)で ある。ラサ―上海(広州)は隔日運行、その他は毎日運行する。(7月1日から実 際に運行が実現したのは北京西〜ラサ、成都〜ラサ、重慶〜ラサ、蘭州〜ラサ、 西寧〜ラサとなった。06年9月7日の報道では上海からラサ行き列車は10月1日か らスタートとのことで約52時間かかるとのこと)
  青海チベット鉄道の開通、試験営業が発表されると、"汽車に乗って青海チベッ トへ遊びに行こう!"という天上ルートの旅はヒートアップ。現在までのところ、最初 の北京―ラサなど6ルートの乗車券はすでに予約でいっぱいである。
 「青海チベット鉄道の開通によって、交通がネックとなっていたチベットの経済社 会発展と観光業の発展制約は打破され、"外国へ行くよりチベットへ行くのが大変 "といわれたのも過去のことになる。」西藏自治区旅游局の廖礼生主任はこう語っ た。
 廖主任によれば、青海チベット鉄道開通によって観光業はかつてない発展の機 会を得る。鉄道開通後はチベットには毎日3000人から4000人の旅行客が増える。 今年の旅行者は昨年より40万人増と推計される。また青海省旅游部門の予測で は、鉄道開通により 
 青海からチベット入りする旅行者は約80万人増加するといわれる。現在、青海・ チベット両省区の観光部門では"青海チベット旅行ブーム"の到来に積極対応して いるところである。
 このほか、旅行客の青海チベット高原を汽車で行く夢を満足させるため、青海チ ベット鉄道会社は特に昼間に高原の独特な風景を体験できるようにして、客車は コンパートメント型で、バーもある。また酸素を補給し酸欠症状を緩和するととも に、医療サービスを充実させ、乗客が旅の途中の高山病をあまり心配しないです むようにする。
 青海チベット鉄道の人気に応え、7月1日以降、四川省では省都・成都から約46 0km離れた重慶から急行列車を走らせ成都でラサ行きに接続できるようにする 計画である。
 またラサの鉄道関係者によれば、各地からラサへ向かう列車は毎日夜に西寧 の4つのホームへ到着する。そして、それぞれの列車は西寧を15〜20分おきにラ サへ向かって出発する。ゴルムド駅に翌日の朝に着き、いよいよラサへ向かって 出発、朝ゴルムド発ラサへ夕方着となる。昼間に青海チベット高原のすばらしい風 景を堪能してもらうためだ。
 列車の基本編成は、コンパートメントが2両、1両定員32人で計64人。2等寝台8 両、1両定員60人で計480人。2等車4両、1両定員98人で計392人。合計定員936 人。
 (2006-05-05 新華網西藏頻道&西藏旅游局)

 青海・チベット鉄道 どんな駅があるのか?
 グルモ――南山口(ナンシャンコウ)――甘隆――納赤台――小南川―― 玉珠峰---望崑(ワンクン)――(コンロン山トンネル)――不凍泉(ブドンチ ュアン)---楚瑪爾河(チュマルホー)---五道梁(ウーダオリァン)――秀水 河(シウシュイホー)---(風火山トンネル)---江克棟(ジャンケドン)駅通過 ――日阿尺曲(リアチチュー)---沱沱河(トォトォホー)---(長江源特大橋) ――通天河(トンティエンホー)---雁石坪(エンシーピン)――布馬徳 (ブマ デ)――布強格(ブチャング)
―唐古拉(タングラ)駅は、海抜5,068m――扎加蔵布(ザージャズァンブ)― ―托居(トゥオジ)――安多(アムド)---錯那湖(ツォナフー)――底吾瑪(デ ィウマー)――崗秀(ガンシュウ)――那曲(ナクチュ)――妥如(トゥオル)― ―古露(クゥル)――烏瑪塘(ウーマタン)――当雄(ダムション)――達瓊郭 (ダチョングォ)――羊八井(ヤンパチン)――馬郷(マーシャン)――ラサ西 駅――拉薩(ラサ)である。
*現在まですべての正式駅名は未発表なので注意。

02年レール敷設始まる(ph/by西蔵ニュース ネット)
 青藏鉄道の工事始まる
 中国共産党創立80周年記念日の2001年6月29日午前、青藏鉄道の工事が始ま った。第一期入札を通った施工業10社が沿線各地の現場で作業を開始した。
 青藏鉄道の工事は2001年から始まったが、当初の計画は次のようであった。
「全線は3段に分けて着工された。ゴルムド(格爾木)から望崑まで(簡称格望段) は全長146.6km、そのうち新設されるのは116.6km、すでに線路のあるゴルムド から南山口の33kmは改造する。2001年6月29日着工、02年7月1日レール敷設開 始、02年11月20日望崑まで敷設完了。
 望崑からアムド(安多)は全長551.7km。ここは永久凍土地帯で海抜4500〜 5100m、全線が最も困難な地質であり、また重点工区である。望崑からタングラ 山(唐古拉山・休冬曲駅〈シゥードンチュー駅〉)まで456km(簡称望唐段)は2002 年4月1日着工。03年3月レール敷設開始。アムドの試験工区部分は02年4月着 工、休冬曲から安多は03年4月着工、2005年レール敷設開始、05年末に安多まで 完了。
 安多からラサまでは441.9km。主に藏北高原区である。海抜は3600m〜4600 m。03年4月着、06年11月ラサまでレール敷設。07年6月末完工」
 青藏鉄道建設の総本部はその目標を、
 「規格統一、入念な組織、北から南へ、工区を分けて推進、重点突出、凍土を攻 め勝つ、基盤建設に続き、工区を分けてレールを敷き通す。安全と質量管理を厳 格に、良好な生態環境の保護で、一流の高原鉄道を建設する。」と掲げた。
 これが、実際には1年8ヶ月も早く、全線は2005年10月18日レール敷設は完了し た。2006年に試運転が始まればチベットは汽車の通らない歴史に終止符をうつ。 2006年3月から貨物列車による試運転、7月1日から客車に乗客を乗せた試運転 が始まる。蘭州からラサまで24時間である。
 青藏鉄道建設の調査は1950年代初期から始まった。その起点は青海省西寧 市、実は、第一期工事としてすでに西寧〜ゴルムド間を1984年に開通させてい る。ゴルムドからチベット自治区のラサ市に向かう。西寧から全長約1956km、新 しく建設された青藏鉄道のゴルムド〜ラサ間は1142km、全線には11の有人駅、5 つの景観駅と18の無人駅がある。国家が批准した建設工期は6年、総投資額330. 9億元である。
試運転中06−4,青海チベット鉄道(ph/by青蔵鉄路ネット)
青藏鉄道が創った六つの世界一
1、世界で海抜最高のトンネル―青藏鉄道、全長は1,142km。
2、世界最高所の高原凍土トンネル―風火山トンネル、全長さ1386m、海拔4905 m。
3、世界最長の高原凍土トンネル―崑崙山トンネル、全長1686m、海拔4600m 余。
4、世界で海抜最高の汽車駅―タングラ駅、海拔5068m。
5、青藏鉄道路線上最長の"以橋代路"工程―清水河特大橋(高架橋)全長11.7k m、海拔4600m。
6、青藏鉄道上最高所の鉄橋―三岔河大橋、海抜3800m、ゴルムド市納赤台 にあり全長690.19m。  

青藏鉄道建設にあたり、最も危惧されているのが自然保護である。「西蔵日報」は 工事開始にあたり、関係部門の環境保護の取組みを次のように報じている。
一木一草を大切にする鉄道建設の環境保護
 青藏高原は地球の"第三の極地"また"世界の屋根"といわれており、中国と東 南アジアの"河川の源流地帯"であり、世界の山地生物種の重要な起源と分化の 中心地である。その自然生態はもともと独特で脆弱で敏感であり、世界自然基金 会が"グローバル生物多様性保護"最優先地区にしている地域である。また、中 国政府も"中国生物多様性保護行動計画"の優先保護区域にしている。このため 青藏高原での鉄道建設は、工程がいかに大きな困難であろうと、技術難度が大き かろうと、かつ生態環境の保護と回復が極めて困難であろうとも、工程建設と環 境保護は達成しなければならない。世界中がみな注目しているという認識をもって いる。
 党中央と国務院は青藏鉄道建設中の環境対策を十分重視しており、朱鎔基総 理は(01年)6月29日の起工式の祝辞の中で、青藏鉄道建設に参加する各作業 部門に対し"青海、西藏の生態環境を十分に愛護し、青海、西藏の一木一草を十 分に愛護し、われわれの祖国のわずかな緑地も入念に保護する"ことを求め、青 藏鉄道建設中の環境保護対策に十分な取り組みをするよう、はっきりした方向を 示した。青藏鉄道の各設計、施工、監理部門はこの方向に照らして、鉄道建設の 過程では環境問題を優先、重視し、積極的な環境対策に取り組んでいる。
 着工前の環境保護研究を重視
"予防を主に、保護を優先する"という建設の原則を貫き、堅実に青藏鉄道建設 前の環境への影響評価作業を行う。国家の関係部門と研究機構は、気候、環 境、生物種、生態などに適確に対応して、青藏鉄道沿線の高原生態の特性と環 境に対する主要な影響を事前に調査する。そして高地草原の荒漠化の変遷を鉄 道施工での変化予防、治山の方案に結びつけ、高原の永久凍土地区の特殊な不 良地質現象、鉄道工事環境の影響など課題の研究論証に対処した。これら課題 の研究成果は実行可能な項目研究、環境影響の評価作業展開、科学実行可能 な環境保護措置実施のための根拠を提供した。
 事前の研究で取得しえた成果をもとに、鉄道部と国家環境保護総局は01年2月 に青藏鉄道環境保護工作座談会を開催。青海、西藏両省の環境保護部門と国 家林業局、水利部、中国科学院、環境科学院、鉄道科学院の環境保護の専門家 が参加した。
 ここでは青藏鉄道建設の環境影響の評価を重点に、作業手配と工程環境対策 などの問題を真剣に討論した。その後、鉄道部、国家環境保護総局は"青藏線ゴ ルムドから望崑の区域とテスト区間での駅前部分で環境影響のアセスメント"にそ った調査を進める一方、内外の専門家を組織して青藏線で生物環境調査とゴル ムド〜ラサ区間でも環境アセスメントと自然保護区、野生動物通道をテーマとした 報告を審査した。また先に着工したゴルムドから望崑と清水河、北麓河、沱沱河 などのテスト区域での環境影響報告書と水土保持方案を審査した。
 これらの堅実な作業は青藏鉄道建設のために科学に依拠することを示し堅実な 基礎を打立てた。
 確実な建設中の環境保護措置
 青藏鉄道の建設を順調に進めるためにのために、鉄道部の党組織は青藏鉄道 の設計、施工、監理部門に"力戦して捧げる、科学技術にたより、健康を保障し、 環境を愛護し、最高のものを競い創ろう"の要求を提出した。
 環境保護にはまだ提起されていない高原地表の植生も含まれた。建設工事中 は、設計、監理、施工部門はみな上から下へ環境保護組織ネットワークを作り環 境保護措置を制定、環境保護作業に責任を負う幹部と監督者を専任した。環境 保護の奨励と罰則を明確にし、施工用道路、土砂採取場、橋梁施工の平面区、 工事機械置き場と工事関係者の生活区(飯場・工事現場事務所)は規格に合わ せる。施工の範囲と人員、車両進行ルートは規定を厳格にした。
 着工初期のころある工事会社の運転手が車で道路を乗り越えたのを発見した 幹部は、すぐに作業チームに圧迫された植生の回復と2万元の罰金を命じ、現場 の責任者、書記、技術主管にも各罰金2千元(約3万日本円)を科した。同時に各 作業チームの責任者会議を開き、報告と反省を行った。工事の範囲内の植生に 対しては工事会社がまず移植を行い、工事終了時に元に戻す。タングラ山以南の 自然条件に合う地域では、現地の高原にある植物から種子を採取し、あるいは現 地の植生に合わせた繁殖方法で植生を再生する対策を講じた。
 高原の貴重な野生動物資源の保護については、青藏高原にはここだけにしか 生息しない貴重な動物がいる。工程設計中に、ココシリ、ソマルと林周彭波・黒首 鶴などの自然保護区に対し、鉄道ルートを迂回する案が採用された。同時に青藏 鉄道沿線では野生動物の生活習慣、移動習性に基づいて相応な箇所に33箇所 の動物通道を設置し、沿線の野生動物の正常な生活、移動、繁栄を保障する。
高原の湖泊と湿地生態系統の保護については、青藏鉄道沿線には多くの高原湖 泊と沼沢型湿地があり、それらは青藏高原と世界の生態環境に重要な影響を有 する。鉄道基盤の工事では地表流水を阻害すのを避けるのと、土砂採取・廃棄、 残渣廃棄による湿地の萎縮、機能退化などに対しては、設計と施工中に線路の 土砂の採取・廃棄・残渣場は湖泊、湿地を迂回する方案にした。迂回が無理なと きは通過する湖泊、湿地を橋で過ぎる方案を選ぶ。
 最大限、鉄道基盤での地表流水の切断の影響を避けるか減少させるため、設 計中は相応の区域は地下配水管の数を増加し、湿地水資源の補充に対する地 表流水を保障し、湿地の萎縮、退化を防止する。工事中には一般にみな採用効 率を高めて、湿地水資源に影響の少ない極小なボーリング機械など先進の機械 を使う。
 高原の凍土環境と自然景観の保護については、青藏鉄道が崑崙山を越えタン グラ山までの550kmが凍土地帯である。線路が通る凍土環境の安定を保つため、 沿線の原始の自然景観への影響を避けるため、この鉄道基盤では土砂の集中 採取と廃棄、置き場をルートから遠くに置く措置をとるとともに、十分な植生回復 作業を要求した。
 このように原設計では崑崙山の玉珠峰山麓に帯状に土取り場を設置し、玉珠峰 の自然景観保護のため、青藏鉄道総指揮部は設計、監理、施工部門を組織し原 設計方案を優先進行し、10km近くの土砂運搬路はこの箇所では土取り場を線路 右側の荒地に選んだ。掘削部分は鉄道基盤下に非凍張土と特殊な保温材料を 詰め、凍土融化と基盤に問題がでるのを避け、凍土層の安定を確保する。
 建設作業員の環境保護教育を重視
 環境保護は"建設の功績は現代だけ、利便は永遠に"の観念を関係者は広くま じめに受けとめている。青藏鉄道の計画と測量調査と設計中に、政府部門、科学 研究と設計部門は青藏鉄道の環境保護に対し重要な日程と非常に高い位置を提 出し、専門の環境機構を作り専門の研究課題を研究させた。こうして"保護を優先 する"環境保護観念で、広範な環境保護教育を展開した。
 工事中には建設関係者に環境保護を最重要に位置付けさせ、作業員には中央 の指導者の青藏高原の生態環境保護についての精神と指示を真面目に学習さ せた。また国の関連する環境保護政策と法規、環境保護の宣伝教育を広範に行 い、環境保護機構とその法規制度を確立し、設計要求と施工規定を厳格に執行 した。大きな環境保護予算を投入し真剣確実な環境保護措置をほどこした。
 工事は規格を堅持し、生活ではゴミは選任者が集め集中的に処理し、工事排水 と生活汚水は指定の所に貯める。同時に工事の沿線には環境保護の標語板を 立て、強い環境保護の雰囲気を作った。
 9月下旬,国家環境保護総局の幹部と青海省環境保護部門の関係者が、青藏 鉄道の環境保護対策のあとを現場調査し、"各工程局は環境保護を重視し、組織 をあげて十分な管理をしたのが人々に根をおろし、すでに一定の成績をあげてい る"ことを知った。青藏鉄道の環境保護ムードは国内のどの線路にも引けをとらな いものになっている。
 注目される建設後の環境保護と影響
 鉄道建設後の環境への影響にたいしては、設計時、できるだけ鉄道駅舎の設 置を少なくし、環境への影響を減らす。
 駅には必ず相応の汚水、ゴミ処理の措置を行わせ、駅はできる限り太陽エネル ギー、風力エネルギーなどのクリーンエネルギーを採用する。運営後のゴミ集中 収集と定期処理し、沿線の騒音は降音処理で影響を低下する。
 青藏鉄道完成後は西蔵に鉄道不通の歴史は変わる。ラサも北京も内地と同じく 緊密な連携は同じである。人の流れにつれて物流の激増と経済の発展は環境に 対してマイナス面の影響がでるだろう。このため関係部門は超前思考で、問題が 起きる前に対策をたて、営業運転前に貨物輸送時の環境分析により、運輸事故 予防の安全措置を提出し、環境汚染事故の発生を防ぐことにした。
 それらは営業運転後の交通環境の変化で沿線の人口増加による工農業生産 の変革、集落の発展による沿線の環境変化の影響、自然保護区域内の運輸、冶 金などの産業制限の提出への建議。鉄道沿線の経済発展態勢と計画の予測、鉄 道部門と地方政府の提出した経済発展により生じる環境への影響の減少と回避 についての建議である。
 青藏鉄道の環境保護事業は上から下へ受け渡され高度に重視されている。わ れわれは党中央、国務院の指導の下、建設全体に携わる職員の積極的な努力 により、必ずや青藏線の環境保護事業が着実に行われることを堅く信じている。


青藏鉄道の最高橋――三岔河特大橋、最高所は50mを超える(ph/by西蔵ニュース ネット)

科学者が青藏鉄道の難題解決に取組む
 青藏鉄道の工事はすでに着工された。高原上の632kmは永久凍土地帯で、工 事の前に横たわる難題である。中国科学院は先日"青藏鉄道の工程と永久凍土 研究の相互作用および環境効果と反応"の重大項目を提起し、凍土の難題解決 の良案を求めた。青藏鉄道は世界で最高所の、最も不安定な凍土地帯で"護送 の後ろ盾"がいる。青藏鉄道のゴルムドからラサの間は全長1,118km、そのうち 永久凍土地帯を越えなけねばならない部分は632km。青藏高原は地球温暖化に 最も敏感で、温度上昇は最も早く、升温幅は最大となり、高原の凍土をさらに不安 定にさせる。凍土学の専門家である程国棟氏は「青藏鉄道の成否のポイントは基 盤で、基盤成否のポイントは凍土である」という。
 01年3月1日、青藏鉄道工事の起点となった青海省のゴルムドで初めてツルハ シが入った。工事は順調に進んだがまだ永久凍土地帯には入っていない。中国 科学院寒区旱区環境と工程研究所は凍土問題を重大項目として引き受け、02 年、永久凍土地帯へ入る前に凍土に攻め勝つ最良の方法を見つけなければなら ない。
 「工程建設には1年の時間があるが、全力でこの難題に取組まなければならな い」主体となる寒旱研究所所長の程国棟氏はこのように語った。すでに寒旱研究 所は北麓河一帯の建設テスト区間で研究を始めており、全線へのサンプル基盤 を提供する。
 早くも1960年代に中国科学院寒旱区研究所は凍土上の青藏鉄道建設の研究を 開始し、豊富な科学資料を蓄積した。青藏鉄道着工後、研究所は積極的に技術 支援を行い、鉄道部の関係部門とともに青藏鉄道工程の地質測量、設計、施工 などの規定をまとめた。
 程国棟氏によれば、凍土高温化と地球温暖化への挑戦のため、積極的な凍土 保護措置をとる。たとえば輻射コントロール、伝導と対流の方法などで、基盤冷却 の原理と新技術を提出し、工程の安定を確保する。(新華ネット 西藏頻道01年1 1月4日)

成都からラサまで列車で45時間、北京からは48時
 "西蔵攻略"サイトによれば、06年3月1日、成都鉄路局と成都鉄路国際旅行社 は,7月1日成都からラサへ初の旅客列車を走らせると発表した。所要時間は45 時間前後,このルートへはこれから多くのツアーが計画されることになりそう。列 車は格爾木からラサまで19の駅があるが、主要な駅で余裕を持った停車時間をと るのは、5箇所で、この5箇所は青藏高原の5大景観旅行地帯となっている所。旅 客は下車して高原のすばらしい景色を堪能できる。飛行機ではけっして味わえな い旅情を感じることであろう。
成都を出発した列車は宝鶏、蘭州、西寧を経て青海湖を廻り込むように格爾木に 着く。ここからいよいよ青藏鉄路へ入る。ラサへの長距離列車は北京、上海、广 州等の6つの都市の鉄道、旅行関係部門で計画されているという。
 この区間で景色のすばらしい地区は青海湖景観帯、崑崙山景観帯、長江源流 景観帯、羌塘(チャンタン)草原景観帯、那曲(ナーチュー)からラサ間景観帯等, 他にまた藏北牧区の独特な民族風情と宗教文化にふれることができる。
 このほか4千mを越える高原地帯を行く乗客の健康と安全のため、二重ガラス による密閉式の風防ルームを車両と車両の間に設け、気圧と酸素不足による高 山病の緩和に対処する。もちろん車内空調でも酸素調整を行い、かつ各車両に は必要時に酸素を吸えるよう器具を設置する。
 7月1日からの成都発ラサ行き列車に備え、青蔵鉄路(青海チベット鉄道)では、 まず3月1日から貨物列車の試運転を開始。5月1日から無人の客車による試運転 を始める。そして7月1日から客車の全線試運転を行う予定である。乗車券は650 元(約9,700日本円)くらいと予想されている。
 北京からラサへ鉄道で48時間
 05年12月11日新華社電によれば、06年7月1日よりラサ行きの列車が北京西駅 から毎日一本発車することが発表された。在来線では時速160km、青藏線に入 ると時速120kmで運転される。北京西駅からラサまで約48時間。
 また欧米では観光専用列車が人気市場となっているため、青海チベット鉄道で も中・米合弁による観光列車の共同運行が行われる。青蔵鉄路公司は05年12月 10日、北京で米国の鉄道運営会社との間で、合弁会社設立と共同運営に関する 枠組み合意書を締結した。米側はさらに、中国とカナダの合弁会社である青島ボ ンバルディエ・パワー鉄路運輸設備有限公司、中国の車両メーカーである南車四 方機車車両株式公司との間で、観光用車両の購入契約書を取り交わしている。
 青蔵鉄道の開通後は隔日で観光専用列車を運行する予定で、入浴設備付のコ ンパートメントや大きなガラス窓、快適なシートを備えた寝台車が同路線に乗り入 れることになる。内装は豪華でモダンながら、沿線の民族情緒を織り交ぜたデザ インとする予定。"昼間は観光、夜は休息"を原則に、大切な観光ポイントでは停 車して乗客は外にでて撮影を楽しんでもらう。国内外の観光客が雪の高原の美し い景色を存分に楽しめる交通手段にする計画だという。
青海チベット鉄道に豪華観光列車を投入
  06年5月19日「チベット驢行」ネットが「新聞晨報」「チベット旅游局」からの情報と して伝えるところでは、青海チベット鉄道に来年から五つ星クラスの豪華観光専用 列車が走る予定という。コンパートメントの1ベッドは1日1人1000ドルで、中国の列 車では最高のビップルーム価格になるという。 
  この豪華列車は4面ガラスばりの展望車、民族歌舞を表演するシアター車、カラ オケ付きである。高原の強い紫外線を防ぐため窓ガラスは防護フイルム貼り、医 療設備ももちろんある。コンパートメントはシャワー設備ありとホテルなみ。車内に は2系列の空調設備があり、酸素の濃度を平地と同じくらいに調整するほか、独 立した酸素吸引口もある。また気圧も適度に増圧され、高山反応対策も万全。
  列車の発注価格は1系統7億元といわれ、時速160km、乗客数100名で、見 通しでは07年の4、5月から隔日で営業運転されるという。鉄道部の報道担当者 によれば、「豪華列車は運行の具体的な方案はまだ決まっていない。青海チベッ ト鉄道は外国人だけに開放されるものではない。我々は内外からの広大な旅客 が各種の旅客列車に乗っていただくのを歓迎する」と述べている。

 
青海・チベット鉄道沿線案内
 青海チベット鉄道は、青海省西寧市からチベット自治区のラサ市まで全長1956k m。そのうち西寧から格爾木(グルモ)までが1979年にレール敷設が始まったとい う。1984年5月1日、営業運転で西寧―格爾木間に列車が走ったそうだが、筆者の 実見では1981年西寧市内で青藏線に客車1両、貨車3両ほどを引いた蒸気機関 車が走っていた。線路はゴルムドまで開通して貨車輸送を中心に走っており、客 車はテスト的に哈爾盖(ハルガイ)まで1日1往復していると聞いて、日帰りできると ころまで乗せてほしいと関係者に頼んでみたが、青海湖を眺めながらSLに乗る夢 はこのときは実現しなかった。当時、フランスがツァイダム盆地の石油採掘に協力 することが報じられていて、やがてこの鉄道線路が重要な役目を果たすことが予 想された。
 西寧―格爾木間は830km。駅は41あり、普通列車に乗れば21時間29分。急行 だと13時間13分かかる。 乗車券の値段は2等(硬座):46元。1等(軟座):89元。E 2等寝台(硬臥):113元。1等寝台(軟臥):184元。急行列車は途中の停車駅は9〜 10駅。乗車券はE硬座:64元。軟座:107元。硬臥:131元。軟臥:202元。
 41の駅名は、◎西寧■■■■西寧西■■■■双寨■■■■扎麻隆■■■■ 石崖荘■■■■湟源■■■■申中■■■■巴燕■■■■岳家村■■■■ ◎海晏■■■■克土■■■■托勒■■■■◎哈爾盖■■■■剛察■■■■ 黄玉■■■■吉爾孟■■■■江河■■■■天棚■■■■◎天峻■■■■ ■■■■二郎■■■■察汗諾■■■■烏蘭■■■■◎賽什克■■■■ 柯柯■■■■柴凱■■■■◎陶力■■■■◎コ令哈■■■■コ農■■■■ 戈碧■■■■連湖■■■■泉水梁■■■■平爽■■■■航亞■■■■飲馬 ■■■■◎錫鉄山■■■■松如溝■■■■◎察爾汗■■■■魚水河■■ ■■格爾木東■■■■◎格爾木。◎印は急行停車駅。列車によっては停車しな い駅もある。
  
青海チベット鉄道沿線主要地区案内
 西寧市―青藏高原東部辺縁、黄河の支流湟水上流にある。市区の平均海拔 2295m、大陸高原半乾燥気候で冬は寒く夏は涼しい。西寧市は青海省の省都。 全省の政治、経済、文化、教育、科学技術、交通とビジネスの中心。総面積7649 平方km、2005年末常住人口209.50万人、市街区の常住人口102.94万人、漢、 回、土、チベット、モンゴル、満、サラ等36の民族が住む。豊富な電力と鉱物資源 により工業の発展は近年著しく、農牧業もさかんである。
 市内観光でぜひ行きたいところはイスラム教の東関清真大寺と、古代の彩陶は ここでしか見られないものが多い省博物館。

   02年 西寧市 (南山公園から)
湟源県―西寧から約50km。日月山の東麓にある。県都の海抜は2690m、県内 の海抜は2470〜4898m。人口14万。漢、チベット、モンゴル、回など13の民族が 居住。青海省東部農業区と西部牧業区の結合部、黄土高原と青海チベット高原 の結合部であり、チベット文化と漢文化の結合部である。唐蕃古道の険塞への喉 元であり、南シルクロードの要衝である。農牧業のほか、畜産品加工、冶金、建 材、農産品加工が盛んで、豊富な水資源により小型発電所は12座ある。西寧市 の衛星都市として発展している。名所としては文成公主ゆかりの日月山、大黒 溝、西石峡、扎藏寺などがある。(中国の行政単位は「市・(区)・県・鎮・郷」で県 は市の下にあるので日本の町にあたるか?) 
 海晏県―西寧の西方、約100km、青海湖のほとりにある。海北藏族自治州に 属す。県の面積は4348平方kmでほぼ日本の富山県(4247平方km)に近い広 さ。ちなみに中国最大の咸水湖である青海湖は4583平方kmで山梨県(4465平方 km)より少し広い。県の平均海抜約3000m。人口2.44万人、そのうちチベット、モ ンゴル、回、土族などの少数民族が43%を占める。農牧業人口は1.88万人で全県 総人口の77%を占める。管轄の6つの郷村を加えると人口は3万人。主要資源は 草場で広大な放牧場となっている。鉱物資源は白雲岩、硅石、粘土など。名所は 中国最大の咸水湖青海湖、前漢末年の歴史の名城西海郡遺跡、藏傳佛教寺院 白佛寺、中国最初の核兵器研究基地紀念碑、"西海第一神泉"熱水温泉などが ある。
 剛察県―海北藏族自治州に属す。青海湖北岸にあり、人口2.9万人。チベット 族が総人口の72.4%を占め、他に漢、モンゴル、回、東郷族などの民族が住む。 古の羌の地。前漢から清の雍正三年(1725年)まで西海郡に属す。高原大陸性気 候で年平均気温-0.6℃、年降水量370mm。主要鉱物は石炭、鉄、銅、銀等。工 業は皮革、建材等。純牧業県で藏系綿羊、半細毛羊、ヤク、馬等が多い。県内に は漢代の"北向陽古城"、古代人の描いた"舍卜斉溝岩画""哈龍岩画"の文化財 がある。県境の西南62kmの青海湖の鳥島は中国八大鳥類保護区で30余種の 貴重な鳥類が生息する。また青海湖畔にはリゾート地も開発されている。急行の 止まる哈爾盖は5つの郷村の一つ。

 青海湖の遊覧船 02年(これは南東岸)
天峻県―青海省東北部祁連山南麓、青海湖西北側にある、海西蒙古族藏族自 治州に属す牧畜業の町である。全県の最高海拔5826.8m、最低海拔2850m、県 都の新源鎮は海拔3406m。国道315線が県南部を走り、青藏鉄道は県内95kmを 通り、江河、天棚、天峻、南山、二郎の5つの駅がある。人口1.8万人、牧畜業が 79%、チベット族が人口の85%を占める。鉱物資源も石炭、硫黄、石灰石、岩塩 などと豊富。野生動物は鹿、雪鶏、雪豹、岩羊、黄羊、羚羊、熊など百余種がお り、薬用植物193種で常用されているものは80余種にのぼる。山と牧草と清新な 空気の環境は理想的な草原の風情を知る遊覧の地でもある。天峻県内には伝説 の王、盤古の天王閣、西王母の石室、西王母祠、西王母の千里城遺址などがあ り、遠古の時代をしのぶ旅も可能だ。
 烏蘭県―青海省中部、ツァイダム盆地東北辺にあり海西蒙古族藏族自治州に 属す。人口4万人、漢族が多いがモンゴル族を主に回、チベット、サラ、土族等の 多民族居住地である。省都西寧市まで375km、西に州府コ令哈市へ140km、海 拔2960mの高原地帯。烏蘭県内の地形は山間盆地状、植被良好、水資源は比 較的豊富で耕作もでき、放牧と工業が発展している。大陸性気候で夏秋季平均気 温在20℃前後、天然原始森林も各所に点在する。国道315線(青新公路)と青海 チベット鉄道が走り、察汗諾―烏蘭―賽什克―柯柯の駅がある。主要農作物は 小麦、油菜、豌豆、チンコー、紅皮ニンニク、クコ、各種野菜。主要牧畜種は綿 羊、山羊、ヤクとラクダ等。烏蘭半細毛と山羊絨は皮毛制品の優良な原料とな る。鉱物は原塩、石炭、雲母などで、特にチャカー塩湖、柯柯塩湖の塩は全国に 知られている。名所は清代のチベット仏教・黄教寺院―都蘭寺、哈里哈図原始森 林旅游区と金子海旅游区が知られている。
 コ令哈市―柴達木盆地(ツァイダム盆地)の東北辺縁にあり、1988年市制施 行。人口10万人、モンゴル族が主体で、チベット、回、サラ、土、漢族等19の民族 が居住する。面積3.2万平方km、海拔2980m。コ令哈市は海西蒙古族藏族自治 州州府の所在地でもあり、州の政治、教育、科学技術、文化の中心で海西東部 経済区の中心となっている。国道と鉄道が通り、ゴルムド、チベットだけでなく甘 粛、新疆へのルートも近い。鉱物資源が豊富で16の品種が発見され65の鉱床が あり、石灰石、石英石等埋蔵量は2億トン以上、特に石炭、石油、天然ガスが有 望。市の第二次産業である鉱業、製造業(工業)、建設業の伸びは近年30%を 越えている。 市の南30kmにあるガーハイ湖は観賞魚の餌にするミジンコのよう な鹵虫(Brine Shrimpブラインシュリンプ)の生産地で、養殖用餌料、有機肥料に 使われる。また市の西40kmの柯魯克湖(ケルク湖)は草魚、鯉、フナ、河蟹、河 エビ等の養殖が盛んである。内陸の高原でカニを賞味できるのも一興。
"コ令哈"(ドゥリンハ)はモンゴル語で"金色の世界"を意味する。元の時代は"吐 蕃等処宣慰司"の管轄区で、明代にツァイダム盆地へモンゴル族が入ってきた。 いまこの地区の人々はモンゴル族のオイラトモンゴルのホシュート部(西蒙古)の 首領・グーシハーンの後裔にあたるといえる。コ令哈には"宇宙人の遺跡"なるも のがあるほか、古柏の鬱蒼たる柏樹山、黒石山ダムはじめいくつもの湖があって 遊覧に事欠かない。
 錫鉄山―大柴旦鎮行政委員会(海西蒙古族藏族自治州行政委員会管轄)の 行政区域にある駅で、青海チベット鉄道はコ令哈市と都蘭県の境界近くを走り、 錫鉄山駅に着く。大柴旦鎮はツァイダム盆地の腹部で、東北が高く西南が低い。 地形はゴビ灘、砂丘、高山が主。年平均気温0.8℃、年間隆水量82mm。大柴旦 鎮の人口は2万人、漢族を主にモンゴル、チベット等少数民族が住む。面積1.1万 平方km。鉱物の埋蔵量が多く石炭、鉛シン、石棉、ホウ硝等11種。工業は冶金、 石炭、電力、化学工業、建材が重点。錫鉄山鉱務局は鉛、亜鉛、アンチモンの鉱 山として有名で国家級の企業である。農業は小麦、チンコー、油菜など。牧畜は 綿羊、ヤク、ラクダが主である。国道は青(海)新(疆)公路、敦(煌)格(爾木)公路 が通る要所。柴旦温泉は80℃〜90℃で各種ミネラルを多く含み皮膚病、関節炎な どに効能がある。
 察爾汗―察爾汗塩湖(チャルハン塩湖)は青海省西部のツァイダム盆地グル モ市にあり、中国最大の塩湖で世界でも著名な内陸塩湖の一つで、西寧から750 kmである。察爾汗はこの塩湖にある駅。チャルハン塩湖は東西の長さ約160k m、南北20〜40km、塩層の厚さ約2〜20m、面積5800平方km、日本の三重県と 同じ位の面積、海拔2670m。湖中の塩化ナトリューム埋蔵量は500億トン以上に のぼる。衛星画像をみると田畑のように区分けされた大きな塩田のようなものが 光って見える。マグネシューム、リチウム、カリウム、ホウ素、よう素など豊富な塩 資源がある。ここの気候は乾燥が激しく年間降雨量は蒸?量の百分の一に及ばな い。塩湖中にできる塩の結晶や造形はさまざまなものがあり、塩花、珊瑚、亭台 楼閣、あるいは鳥獣のような形が出現し、塩湖でしか見られない不思議な世界を 造っており、近年、国内外からの観光客は年間数万人に達している。
 格爾木市―グルモー(ゴルムド)はモンゴル語で河の流れが密集する所の意 味。総面積12.45万平方km、世界で管轄面積が最大の都市。ツァイダム盆地中南 部のグルモ河冲積平原上にあり、市区の平均海拔は2780m。高原大陸性気候に 属し、夏は涼しく冬も厳寒にはならない。全市の人口25万人、市区の人口が90%以 上を占める。平均年齢32歳前後、漢、モンゴル、チベット、回等26の民族が住む。 チャルハン塩湖を中心とした塩化工業と、石油、天然ガスの豊富な埋蔵量が確認 され本格採掘に入っている。また工業を支える水力発電も大小20余りの河川があ り、青海チベット高原で西寧、ラサにつぐ三大都市となっており、インフラ整備率も 高く、その強い鉱工業基盤が注目されている。交通もチベット、新疆、甘粛と3本 の国道があり、青海チベット鉄道の開通と敦煌―グルモ間の鉄道着工、およびグ ルモ空港から国内各地への航空便の発達で輸送能力と人的往来は益々増加し ている。
 グルモはまた観光業でも潜在力をもつ都市である。"青海チベット高原、世界の 屋根、崑崙文化"を塾とした旅行資源が十分にある。グルモ市が管轄する長江源 頭、万丈塩橋、雪山氷河、崑崙山の雪景色、瀚海の日の出、沙漠森林等独特な 自然景観を楽しむことができる。青海チベット高原の風光、野生動物観察、科学 調査、登山・探険、トレッキングに理想の地である。グルモ崑崙旅游区は国家4A 級の旅游景区である。80年代から自動車での青海チベット高原ドライブ、崑崙山 道教をたずねる旅、チャルハン塩湖観光、モンゴル族草原風情、玉珠峰登山・ト レッキングなどのほか、観光ルートも崑崙峠、玉虚峰、西王母の瑶池、崑崙神 泉、万丈塩橋、胡楊林、崑崙文化碑林等の景点がある。

     崑崙山トンネルを抜ける列車(ph/by青蔵鉄路ネット)

 ゴルムド〜ラサ
 青海チベット鉄道は4,000m以上の高原を960kmも走る。青藏鉄道(ゴルムド― ラサ区間)は、ほぼ青藏公路・国道109号線に沿っている。営業運転前の計画で はゴルムド〜ラサ間に34の駅が作られ、これらの駅のうち9ヶ所には観光台(展望 台)が設置される。この観光台は特別に建造されるもので長さ500m、高さ1.25m で乗客は列車から降りて、この展望台で青海チベット高原のすばらしい風景を眺 めることができる。世界で最高海抜を走るこの路線は、崑崙山、タングラ山、ニェ ンチンタングラ山の3大山脈を越え、黄河、長江、ランツァン江(メコン河)の三江 の源流を望み、高山湖や湿地帯を跨ぎ、天に比べようのない壮麗な風景の中を 走る。一般の路段では列車の時速は120km、凍土地帯では時速100kmで走る。 ゴルムドからラサまでは12時間とかからない。
 里程 青海チベット鉄道は西寧―ラサ 1,956km。
西寧<-311km->天峻<-210km->徳令哈<-309km->グルモ<-248km->五道梁<- 150km->沱沱河<91km->雁石坪<-100km->タングラ<-89km->安多<-138km->那 曲<-164km->当雄<-75km->羊八井<-87km->ラサ
 グルモーを出るとまもなく崑崙山脈の荒々しい山肌が見えだす。遠くに白い雪を いただく山々につらなる岩山を見ながら行く。国道を行けば納赤台という小さな村 の崑崙泉の泉に立ち寄る。海拔3700m。ここは崑崙河北岸で崑崙泉は山脈のな かでも最大の不凍泉である。雪のあるなしにかかわらず泉の水量は安定してい る。伝説では西王母の作った玉の泉水といわれ良質のミネラルウオーターであ る。崑崙山は中国民族のあこがれの地であり"万山の祖"の地位を顕示してきた。 ここの山麓には明代末道教混元派(崑崙派)道場のあった所で中国第一の神山 である。
 崑崙山口
 やがて玉珠峰が見え、国道沿いの西大灘の町はちかくである。玉珠峰駅を通過 する。ここからだんだんと高度が上って、夏には緑に覆われた草原の中を走る が、ここはすでに凍土地帯に入っている。国道の最高点は4,772mの崑崙山口― 山口は峠の意味。汽車は崑崙山トンネルを通る。崑崙山は西のパミール高原か ら延びる大山脈で全長2500km。海抜5500−6000m、広さ130−200km、最高峰 は青海、新彊の境界にある新青峰──ブカダバン海拔6868mで青海省の最高 峰。崑崙山脈は青海省の重要な自然境界線となっている。崑崙山口の石碑の南 側にジェサン・ソナンダジェの記念碑がある。彼はココシリ野生動物保護の優れた 活動家であり、チベットカモシカの密猟者との戦いの中で亡くなった。

 チベット カモシカ、中国第一級の保護動物(ph/by可可西里ネット)
 可可西里(ココシリ)
 海抜4600m前後のこの地域は、大規模な自然保護区で、鉄道も国道もここを 通過する。ココシリ動植物保護区の東側、三江源自然保護区の西側で、野生動 物鑑賞ステーションからは国道まで2kmほどである。鉄道の清水河特大橋の南 岸とソナンダジェ自然保護区ステーション観光塔および野生動物救助ステーション がある。動物たちの通道でもある清水河特大橋付近では、青藏高原ココシリ特有 の貴重な動植物が見られる。はるかには崑崙山の玉虚峰と玉珠峰が望まれる
 崑崙山トンネルを出るとココシリ山脈の山々が見えてくる。夏には緑に覆われた 草原の中を走る。運がよければチベットカモシカの群れを見ることができるかもし れない。不凍泉駅---楚瑪爾河(チュマルホー)---五道梁駅。海拔は4633m、食 堂や旅館がある。長距離トラック・バスはここで食事をする。高山反応がでるのも このあたりからだ。赤土の山が続く風火山地区に入り、風火山トンネルを通り江克 へ。国道沿いには食堂などがある。やがて沱沱河(トトホー)の駅へ。海拔4700 m。小さな街だが無人地帯の多い青藏高原にしてはそれなりにいい街だ。沱沱河 沿は海抜4533m。この街には。沱沱河(長江)にかかるはじめての橋である長江 源頭第一橋がある。街には食堂や旅館、ガソリンスタンド、青海省沱沱河気象 局、解放軍の兵站などがある。
沱沱河特大橋(ph/by西蔵信息中心)
 沱沱河―ここは長江源頭で中国一の大河は海拔6,621mのタングラ山脈主峰 ――グラタンドンの氷河から流れでる。グラタンドンはチベット語で高く尖った山峰 の意味。
 通天河---雁石坪の駅を過ぎるといよいよ世界最高所の鉄道通過点を目指すこ とになる。タングラ駅は世界で海抜最高の汽車駅、海拔5068m。タングラ山は青 海とチベットの境界である。もちろん列車は止まり乗客は下車して山岳展望を楽し むことになる。
  唐古拉山口からチベット側へ下るとやがて蒼茫たる藏北草原の風景となる。牛 や羊が草原に点々と見られる。安多県はチベット北部、タングラ山の麓の町だ。 面積は2.6万平方km,(実際管轄面積は9.6万平方km)、人口は3万人(2002年)。
  安多(アムド)はチベット語で"末尾"とか"下部"の意。ここの地形は高原山川の 類型に入り、タングラ山脈主稜線から大小の山峰が連綿と延び、高低起伏、西か ら東へ、北にはタングラ山、ココシリ山、チュルベイウラ山があり、中部にはトォル 火山、南部にはサンカ等の山脈がある。中間は南が高く北が低い、西が高く東は 低く、中部のタングラ山主脈は6600mからだんだんと下降し北は4700m前後、南 は4500mほどで"屋根状"を形成する。
  県内には湖泊が多く、河川も多く、主なものは長江源流水系、怒江(サルウイン 河)源流、スリンツォ源流水系。気候は高原亜寒帯半湿潤季節風気候区になる。 空気は稀薄、昼夜の温度差は大、四季ははっきりし、多風雪の天気であり無霜期 はない。年間日照時間は2847時間、年間降水量は411.6mm。自然災害は主に雪 害、旱害、風害、凍害、水害、雹等。
  安多県は純牧業県で、主にチベット系の綿羊とヤクを放牧し、チベット自治区の 畜産品基地県の一つとなっている。青海・チベット道路と安多・獅泉河道路、青 海・チベット鉄道が通っており流通と人的交流に大きな役目を果たしている。
  那曲(ナクチュ・ナチュ)
  タングラ、安多を過ぎて高度は少しずつ下がり、那曲はもうすぐだ。那曲は藏北 の腹部といわれチベット語で"黒い河"の意味。チベット北部、タングラ山とニェン チンタングラ山の間、海拔約4,600m、東西は約233km、南北約185km、総面積 1.6万平方km。県内には3つの管轄鎮、9つの郷 284の村民委員会、3つの居民 委員会、 1020の自然村がある。人口約80,000人、そのうち非農業人口は14000 人。チベット族を主に漢、回、蒙、メンパ、ロパ等の民族が住む。県内の寺廟は33 ヶ所、活佛、僧尼は1200人余。 那曲は藏北の政治、経済、文化、交通、通信の 中心地である。ラサまで320km。ここは高原丘陵地帯であり年中、霜凍、大風、 雹、乾燥、寒冷が襲う。7月の平均気温9.0℃、年間最高気温23.60℃、0℃以上の 持続日数164.5日。
  8〜9月は藏北の黄金の季節で、一年一度の「競馬芸術フェスティバル」が行わ れる。歌舞、競馬、スポーツ、服飾表演などのほか交易も盛んで、ビジネスチャン スもある。内外から観光客が来て多くの人出があり、出店がならび、にぎやかであ る。
  那曲は牧業が経済の基礎で、利用可能な草原面積1.05万平方km。ヤク、綿 羊、山羊、馬が飼育され、牛羊毛、牛羊皮、牛羊肉、乳製品を生産している。
  貴重な野生動物は50余種が生息し、植物は薬用を含む180余種がある。鉱 物資源は鉛、アンチモン、水晶、大理石、銅などが知られ、水力エネルギー、地熱 エネルギー、太陽エネルギー、風力エネルギーの活用が盛んで、藏北一の水力 発電所がある。
  那曲からラサまで車窓にはサンタンガンサンやニェンチンタングラ山主峰が遠望 まれる。.
  当雄(ダムション)―当雄県はラサ市に属する。納木湖郷など6つの郷と羊八井 鎮を含む2つの鎮を管轄する県。全県の人口は41,918人、牧戸は6460戸で人数 38181人。純牧業県でチベット自治区中部、藏南と藏北の交差地帯でラサ市北 部、ラサまで170km。青藏公路(国道109号線)が東から西へ県内を通る。羊八井 駅も当雄県内にある。
 大気の還流と地形の影響を受け、冬季寒冷・乾燥、夏季温暖湿潤、乾湿季がは っきりしており、天気の変化大。年平均気温1.3℃、年平均降雨量456.8mm、牧草 の生長期間90〜120日。大雪、雹、霜凍、旱魃、大風の自然災害が多い。当雄県 はニェンチンタングラ山主峰の麓にあり、地勢は西北から東南に傾斜し、東北部 は高原平原、西北部と東南は高峻な山地、その間に挟まれニェンチンタングラ山 との間に寛谷盆地がある。盆地の海拔4200m以上、ニェンチンタングラ山主峰は 7111m米。北部の高平原上にはチベット第一の大湖-納木錯(ナムツォ、ツォは 湖)があり、トレッキングや観光地になっている。
  当雄県の観光名所は世界でも海拔最高所の咸水湖にしてチベット三大聖湖の ―ナム湖、ナム湖の扎西半島で発見された古代洞穴岩壁画。明代、オイラト部族 連合ホシュート部出身でチベットを平定したグーシハーンの夏宮遺跡。チベット仏 教カーダム派創始人ツォントンパの遺跡、チベットの英雄伝説ケサール大王由来 の藏北八塔、羊八井寺(カルマ・カギュ紅帽派)、康瑪寺(ゲールク派)、第十一回ア ジア大会聖火記念碑。羊八井地熱発電所と屋外温泉プール、ニェンチンタングラ 薬泉リゾート村等がある。
  当雄県の工業は主に採鉱業と発電で、錫、硫黄、銅、鉛、石膏など。羊八井地 熱田と羊易地熱田が最も著名で発電に利用されている。世界最高所5千mを列車 で越えて高山反応を心配していた人も、高い所を過ぎて半日ほどしてから頭痛な どがでてくるのだ。お茶をたくさん飲んで静かに過ごすのがいいようだ。列車でゆ っくり来たのでそれほどの症状はでないはずだ。
 羊八井を過ぎればラサまでは、それほど遠くない。

ラサ駅予定地近くの線路工事(04年7月)
青海チベット鉄道を東西に延長
  新華ネットによると3月12日、シャンバピンゾー・チベット自治区主席は「今年7 月、試験営業する青海チベット鉄道が、第11次5ヶ年計画期間中、ラサからシガ ツェに延長される見込みだ」と述べた。
  2005年8月15日にはすでに中国鉄道部計画部門の張建平副所長は貴陽で行わ れた西南六省市区経済協調会で、今後5年間に青海チベット鉄道を東西にそれぞ れ二本延長し、ラサからシガツェ(日喀則)、同じくニンティ(林芝)まで延長し、第1 1次五ヶ年計画初期に着工予定であると発表した。チベット自治区発展改革委員 会の厳仕金副主任によれば、すでに研究と実地調査を始めているという。ラサ-- シガツェ、ラサ--ニンティ間は青海チベット鉄道より海抜も低く、沿線の地質条件 もよい。凍土や複雑な地形や環境保護問題についてもこれまでの経験が活かせ る。 
 延長路線はラサからシガツェまで300km、同じくニンティまで400km、総距離 700kmとなる。2006年には東西の延長路線工事が着工される。
  やがて、青海チベット鉄道は四川省や雲南省へも延びていくだろう。またヒマラ ヤを越えてインドともつながるようになるだろう。
*06年8月1日ラサ着チベット鉄道紀行はここをクリック。
冬の青蔵鉄道はここをクリックしてください。
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グーグルアースで上空からチベット鉄道をトレースしてみません か!
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 西寧〜グルモ〜ラサまで、ほとんどのルートといくつかの駅が確認 できます。




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