食事  (上)

 宴会やある程度での食事の時の席順は、中国でも今は相当に変わってはきているようであるが、日本でも上席と言われているのと同じで入り口から正面になる席である。
 我々が客として行くと必ずその席に案内されるが、それほどの集まりでない場合には極力辞退して見せ、又相手はそれを勧めるのが辞儀にかなうらしいのは今も変わらないらしいが今では仲間内などは主賓より金主が上席に座るのが一般的らしい。
 コップや箸や小皿を自分で拭くのは当たり前で決して無作法ではなくエチケットでもあるらしい。
箸はテーブルには縦に置き、その使い方には意外なほど自由で忌み箸についてはあまりどうこう言われていないようで、料理も一緒盛りを取り箸ではなく自分のもので取ったり、特に箸と箸での料理のやり取りなどを見ていると一瞬ぎょつとするときもある。箸の長い事の利点では次の点などには感心する
一、 大きなテーブルでもどこまでも箸が届く
二、 離れた人にも料理を取ってやれる       
三、 スープの皿など器が深くても箸が底にとどく
などであるが、それもこの頃では日本式な短めで袋いり割り箸が流行し始めているのは衛生的には良いことであるが前記のような事に関しては残念に思われる。
 食卓につくと種とか干物などが出ているのでそれは待ちながら食べてもよいが飲み物は乾杯までは飲まない、料理は出来た順にテーブルに出て来るが客の場合は勧められるか小皿に取ってくれるまで待ったほうが良い。
 仲間同士や身内だと無礼講なのでこの限りではなく、どんどん好きな料理は食べて良く嫌いなものには手を付けなくて良いのは料理をおいしく食べると言うのに理にかなっている事になるし合理的と言える、何しろ全員で食べるので好き嫌いも人それぞれなので何時の間にか残りも無く食べてしまう。
 食事中も骨や皮などのごみを今までは食卓の下に落とすのには抵抗を感じていたけれど、近頃ではマナーも変わって来て小皿に取りまとめ少女達が順次取りかえるように変わって来ているのにはようやく安心して食べれるようになった。
 日本では出された料理は残さないように食べるのが礼儀とされるが、中国では少しばかり皿に残すのが礼儀らしいが、これは昔雇い主が使用人の為においしい料理は少し残し、それで使用人達が食事をしたと言う事から来ているらしい。
日本にも所によっては今も皿に少し残す習慣があるが、これは昔中国から伝わった儒教の影響か、そうすると根本で作法は同じと言う事になろう。 
 飯店ではこの頃、快餐と言うが人気になっていて私もここは便利でいつも利用していた。ほかほか弁当の店もあちこちに出来、昼には行列も出来ている、今までだと昼には帰宅するか、さもないとホウロウ引きの器を飯店に持参してご飯の上におかずを乗っけてもらい店先などにしゃがんで食べていたのが今ではご飯とおかずをべつにしたものが食べられる

(中)(下)工事中近日掲載します