1998年11月に上演した、第8回公演の再演となる今作は OMS戯曲賞での最終選考に残った作品でもある。
・・・遠い遠い昔、人々がまだたくさんの神様達を信じていたくらい、遠い昔。 ギリシャとトロイアの国の間でひとつの戦争が繰り広げられました。 長い間続いたその戦争は「トロイア戦争」と名付けられました。 ギリシャ軍はたくさんの兵士と神々を味方にトロイアに攻め込もうとしましたが、 どうしてもトロイアの町のあの硬く閉ざされた城門を武力でこじ開ける事は 出来ず、 ギリシャ軍はある作戦を思い付きました。 この戦いを自分達の勝利で治めることの出来る作戦を。・・・ |
ひとつ 息を潜め存在していることすら忘れろ ひとつ 何があっても奇声を発するな
ひとつ 睡魔に負けてしまうようなふとどき者には
ひとつ 時が来るまで静かに待ち構え ひとつ 絶対に負けることはない
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・・・ギリシャ軍は大きな木製の馬を作って、それだけをトロイアの地に残し |
「殺意は日常に溢れている」
理由なんて、そんなの別にないんじゃない?
ナイフは古い? めったざし? いつか誰かがやる?
数日たてばさほど変わりなく。
分かってもらえないという自我の爆発で
自分で自分が抑えられないまでの状態になってしまうこと。
それが「キレる」という状態。
「キレた」子供達は深く深く眠り続け、 やがて「真っ白」になる。
きっと、封じこめるために。 狂気を封じるために、眠ることが、切り札 。
自分自身を保つ『切り札』 「狂気」 「自分を思ってくれる誰かの気持ち」
やがてそれらは誰かを『侵略』し。 接する者を『侵略』する。