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「シャツ・ブラウス編」

エリ・ソデ部分は、
人の手で可能な事には限界があります

際限なくこだわっているとキリがないので、
「パッと見てしわのない、キレイな状態」
を目指すと良いでしょう


当社のワイシャツ仕上げは、ほぼ機械に頼っていますが、
数が多いため、人の手だけでは間に合わないという事情と、
「人の手で伸ばすには、限界がある」という理由があります


ワイシャツの仕上げ機械は、蒸気を中に充満させてあり、
稼動する際には
「蒸気+熱風+圧力」で一気に仕上げます

特に、
「圧力」の部分は人の手では真似できない部分であり、
エリ・カフス部分は特にしっかりと、しかも短時間で伸びます


家庭でワイシャツのアイロン仕上げを行う際、
クリーニング店での機械仕上げと同じ水準にしよう、と頑張るよりは

「アイロンを上手く使って、可能な範囲で伸ばす」
ことを考えた方が良いでしょう


衣類の生地は、
『蒸気で伸びる状態になる⇒アイロンの熱で固定』

という工程でしわが伸びるため、蒸気をしっかりとあてる事、
引っ張りながらアイロンで固定する事、の2点を意識すると良いでしょう

形状記憶ワイシャツの場合、ほぼアイロン掛けを行う必要はなく、
干しているだけで大抵のしわは伸びています


◎ワイシャツ

形状記憶ワイシャツでない場合、
素材にポリエステルの割合が多いシャツは(目安としては、50%以上)、
比較的しわになりにくく、一般的な家庭用の糊である、
合成糊が良く効きます

素材が綿や麻のシャツの場合、非常にしわになりやすく、
当社の使用している天然糊(コーンスターチ)が良く効きます


また、同じ合成糊、天然糊であっても、素材によって感触が異なります

合成糊は、比較的サラサラした感触で、柔らかく
天然糊は固く、特に綿・麻100%のワイシャツに添加すると、
濃さにもよりますが、非常に固くなります

糊の固さや感触の好みは、個人の好みによる部分が大きいので、
サラサラした、柔らかい感触が好みという場合は、
ポリエステル系の生地+合成糊

固い方がいい、という場合は
綿や麻の生地+天然糊がオススメです



◎ブラウス


一部のブラウスは立体的なデザインになっているため、
基本的に平面のデザインであるワイシャツとは、
仕上げにも違いがあります

腰部分の後ろに、
左右一つずつの縫い目(ステッチ)がある場合は、
まず立体的なデザインのブラウスです



基本的な仕上げ方はワイシャツと同じですが、
立体的なデザインの部分は、
「なるべく平面の状態でアイロンを掛ける」事がポイントです

腰にステッチのあるデザインの場合は、2〜3回に分けて、
平面になるようアイロン台に置いてアイロンを掛けます


非常に手間のかかる作業ですが、
立体的な部分に一度にアイロンをかけてしまうと、
しわが寄るだけでなく、立体的なデザインにならないため、
見栄えが悪くなります


前にフリルがあるようなデザインのブラウスも、
フリル部分をなるべく平面の状態で、
何度も分けてアイロン掛けをする事で、
立体的な形状に仕上げる事が出来ます