毛皮付きセーター

前回のニットシャツと同様に、注意が必要な衣類の一つです

何故かと言うと、大抵の場合、クリーニング表示が「全て×」となっていて、
「クリーニングは専門店にご相談ください」といった表記があるからです

そして、当社にそういった製品をお持ちになったお客様は、
大抵の場合、その毛皮付きのセーターが、
「通常のクリーニングでは洗えない製品である」という事を知りません
当社に品物を持ち込み、その場で指摘されて、初めて気づく訳です


毛皮や皮革は衣類の中でも特殊な存在で、
基本的にドライクリーニングでも水洗いでもありません
毛皮・皮革専用の機械や洗剤が必要になります

当社でも、毛皮・皮革製品は基本的に外注しています
ただ、納期が一ヶ月程度かかる事と、値段が比較的高めという事もあり、
汚れたからすぐクリーニングに出してまた着る、という事が中々難しい衣類です

毛皮部分が取り外し可能な製品は、その部分を取り外して洗えば、
大抵の場合は問題ありません

ダウン製品にこのタイプは多く見られます

毛皮製品を買う際は、洗濯表示と、毛皮部分が取り外し可能か、
という事を良く確認してからの方が良いでしょう


基本的に、このような特殊な製品だからといって、
大きく「この製品は、通常のクリーニングでは洗えません」、
というタグが付いている訳ではありません

洗濯表示が正確なものであれば法律的に問題はないため、
このような「通常のクリーニングでは洗えない製品である事」は、
洗濯表示をきちんと見て確認しないと分からないのが実情であり、
法律が改正されでもしない限り、この状況に中々変化は生まれないと思われます

そのため、こういった衣類に関しては、自衛するしか手がないのが実情です






第四十五回:毛皮付きセーターにご注意

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第四十五回は、前回同様、注意が必要な衣類について