花粉の季節がやってきました


マスクや飲む薬だけでなく、鼻付近につけて花粉をブロックするようなものなど、
薬局に行くと関連商品で溢れかえっています
しかし、意外と知られていないのが「着ている服と花粉の関係」

業界紙において「一般的に衣類に使用されている素材と、付着する花粉の量の関係」
についての記事がありました


それによると、綿に付着する花粉の量を「100」とした場合、
絹:150、化繊:180に対して、
ウール:980
と素材によって大きな差があり、
ウール(毛)は、綿の実に10倍近い量の花粉が付着している事になります


この違いは、ポリエステルなどの化学繊維は表面が比較的すべすべしているのに対し、
ウールは花粉が「引っかかりやすい」構造をしているためです

ただ、スーツの素材はウールがほとんどであるため、
スーツを着て仕事をしている方にとって、「ウール素材の衣類を着ない」という事は、
現実的には非常に難しいと思います

ただ、蓄積した花粉は、クリーニングする事で除去できます


そのため、花粉が飛散する季節においては、
衣類を定期的にクリーニングする事が、花粉症対策の一つになります

仕事をしている方は、「外出を控え、花粉の付着を防ぐ」という対処は難しいため、
「付着した花粉を、家の中に持ち込まない」という事と、
「付着・蓄積した花粉を、定期的に除去する」という事に気をつけると良いでしょう

まとめると、衣類やクリーニングという観点からは、
以下の3点が花粉対策として有効であると考えられます


@一番外側に着る衣類(コートなど)は、なるべくウール素材を避ける

A帰宅時には着ている衣類をよく手で払い、付着している花粉を落とす

B定期的にクリーニングに出す事で、付着・蓄積している花粉を除去する



ただ、この3つだけで完璧という事ではなく、
マスクや薬といった、基本的な対処法が大事である事に変わりはありません
そういった対策を用意した上で、以上の3点に気を付けると良いでしょう



第三十六回:花粉を吸い込むウール

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

バックナンバーは、こちら


第三十六回は、花粉とウールの関係について