第二百二十二回:「ウソをつく表示」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、
このコラムでは、クリーニング業者から見た
衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第二百二十二回は、「明らかにおかしい品質表示」について
クリーニング事業者として
日々様々な衣類と接していると
様々な品質表示を目にすることになります
その中には・・・
「明らかにおかしい」と思われる品質表示があります
そのような品質表示の衣類を購入した場合
どのように対応すれば良いのかも含めて
今回は「おかしい表示」のパターン紹介です
@矛盾している
品質表示は多くの場合
「絵文字の洗濯表示」と「注意書きの文章」があり
前者は必ず、後者はある場合とない場合があります
法律で、洗濯表示を
明示することは義務付けられているため
洗濯表示がない場合は
その時点で「おかしい表示」になります
そして、この「洗濯表示」と「注意書きの文章」が
互いに矛盾している場合があります
どういうことかと言うと
洗濯表示:ドライクリーニング不可・水洗いのみ可
文章:「ドライクリーニングをお願いします」と言う表記
・・・と言う表示を見たことがあります
この場合、どう対応すれば良いかと言うと
「洗濯表示も文章も信用せず、素材を見る」になります
素材が毛(ウール)100%に近い場合
ドライクリーニングの方が無難です
逆にポリエステルが100%の場合
水洗いが大抵は適しています
その衣類はスーツ上下でウール100%であったため
ドライクリーニングした所、問題ありませんでした
ただし、念入りに色落ちのチェックはしています
A家庭での水洗いのみ可
文章はなく、洗濯表示のみの品質表示で
ドライクリーニング不可
ウェットクリーニング不可
家庭での手洗いのみ可
・・・と言う品質表示の衣類が過去にありました
正直、この表示を付けた意図が分かりません
ウェットクリーニングとは
クリーニング店でのプレスを含む水洗いのことで
家庭での水洗いより、対応出来る衣類は多いはずです
それなのに、家庭での水洗いのみ可
こちらの衣類はシャツで、普通に水洗いとプレス
つまりはウェットクリーニングで問題ありませんでした
素材が『綿100%』であり、綿は丈夫な素材であるため
さらに、肌に直接触れるシャツ、と言うこともあり
こちらも色落ちのテストをした上で、水洗いをしました
このように、世の中には
「明らかにおかしい品質表示」と言うものがあります
正規のアパレルショップで服を購入している限り
このような服に出会うことはないとは思いますが
古着屋で買った
知り合いからもらった
メルカリで買った
・・・と言う服の中には
このような『おかしい表示』の服があるかもしれません
そのような場合、基本的には
「表示ではなく素材で判断」が無難です
ウールは多くの場合ドライクリーニング
ポリエステルは水洗い・・・など「素材名」で検索すると
その素材の特性や、適した洗い方がたくさん出て来ます
また、スーツは多くの場合ドライクリーニング
ポロシャツやTシャツは水洗いなど
「その衣類が何であるか」も判断の一つになります
この「素材」+「それが何であるか」で判断してみて下さい
家で洗う場合には、すそ部分を水で濡らして
タオルでこすってみて色落ちしないかの確認
さらに単独でネットに入れるなど
怖がり過ぎるくらいが丁度良いかと思います