07/09/13更新 |
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2006年夏から、2007年の夏まで、一人の高校球児にやられました。 静岡県立静岡商業高校硬式野球部の投手、大野健介くん。 大野君をはじめて目にしたのは、2006年の静岡地区予選の開幕試合草薙球場での事でした。 初めて見た印象は、背が小さくて(身長165cm、体重58kg)、まだあどけさが残る中学生か・・・・・・・(大野君ゴメンネ!) ところがどっこい、この2年生サウスポーピッチャーがなかなかやるんです。 (静岡では野球で名の通る静商(セイショウと読みます)のエースNo背負ってるんですから、まあそこそこはと思っていたのですが、みごとに大きく期待をうらぎってくれました。) 開幕戦という事で静商のナインには硬さがあり、エラーを連発、通常のピッチャーならこれで崩れて終わりなのですが、大野君は違いました。 自身のピッチングを貫き、ノーシードから地区予選を7戦勝ち進み、みごと静商を、 32年ぶりに甲子園へ導いたのであります。 甲子園では惜しくも、2回戦福知山成美に負けてしまいましたが、苦しい時こそ笑顔のプレーが、観客を魅了し、『小さな笑顔のエース』を全国に印象つけました。 秋には兵庫のじきく国体に出場し、あのハンカチ王子斉藤君率いる早稲田実業に準決勝で敗れてしまいましたが、それでも国体3位。 (パチッパチッパチッツ!、対早実戦、本来3塁側は静商の応援席なのですが、周りはほとんどが、にわか早実ファンで、肩身の狭い応援をしていたのですが、大野君がリリーフで登場した時には、まわりもにわか静商ファンになってくれて、少しばかりホッ!) そして2007年夏、地区予選の決勝戦、春の全国覇者、常葉菊川との対戦。 身長も2cm伸びて、3年生になった大野君、今年もノーシードからのスタート、6戦勝ち進んで挑んだ決勝戦。 ここまで、36イニング無失点の大野君にとっては、2点リードで迎えた魔の7回表、一挙7点とられ、試合が決まってしまいました。 静商にとってまさかのエラー絡みでの大量失点、大野君自身は打ち込まれていなかっただけに、ひじょうに残念。(本当に悪夢を見ているようでした。) 静商の38年ぶり、夏連覇の夢も消えてしまいました。 『今までよく守ってくれた、仲間なので感謝しています。』と泣きながらグラウンドを去る大野君の姿が、印象的でした。 新チームになってから、初めての練習試合に出向いたところ、大野君にお会いできたので、ボールにサインをもらいながら、決勝戦の話や、進路の話を伺ったところ、『慶応に行きたいです。』と力強いお言葉。『でも、勉強大変なんです。』と、ニコニコとあの笑顔で答えてくれました。 SEISHOのユニホーム姿はもう見れませんが、大学に行っても笑顔のピッチングで、早稲田の斉藤君との投げ合いを、是非見せてもらいたいものです。 今後、高校野球を観る上で、『静商の大野健介』の名を、忘れる事は無いでしょう。 君のマウンドでの表情、闘志に、何度も勇気、感動をもらいました。 今後の活躍を期待しております。ありがとうそして、お疲れ様でした。 |