っておいらはきいたんだ。

「うちは本物しか使わないからね。ネタは江戸前から取り寄せなんだよ!赤道の向こう側から冷凍輸送をするのに莫大なお金がかかっているからね…大体ライバル君、キミはここをどこだと思っているんだい?ここは東京湾から1万5千キロ以上はなれた南極半島の突端なんだよ!!それなのに江戸前だなんて…それに、さんま、かれいなんかの季節はずれのものを注文するから高くつくんだよ。『店長のお任せ』にしてくれれば、ここら辺の南氷洋で獲れた旬のネタを安く出せたのに!」

「そんなこと…はじめにいってよ!!それじゃあ一番下のサービス料3万円っていうのは?」

「きいたろう?ボクの極上のダジャレを!」

「極上のダジャレって…店長と転調のヤツかい?あれが3万円もするの?!看板には“安い!”ってあったよ!」

「安いか?高いか?なんて、それぞれさ!とにかく、今全額払えないっていうのなら、分割でもいいからさ」

「そんなバカな!ムチャクチャだ!これじゃボッタクリだよ!」

「そっちこそムチャクチャいわないでくれよ、ちゃんとキミはこの店で食事をしたんだからね…たらふくボクがにぎったお寿司を食べたんだろ?ライバル君!」

 おいらは20万円なんていう大金、持合わせていなかったから、分割払いにしてもらった。結局、後で泣く泣く全額支払ったんだ。

 

 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。おいらはこれから近場で獲れる旬なものを食べるようにするよ!

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