「最後に南極代表、アデリーペンギン!」

って紹介されたから、おいらはキウイのとなりにいったんだ。お皿にてんこ盛りにされた天ぷらが各選手の前に運ばれてきた。フンボルトさんが、

「ルールは簡単!それぞれ前に出された天ぷらを一番早く平らげたものが勝ちよ!それじゃあ、スタート!!」

っていったからおいらはわけもわからず夢中で、前に出された天ぷらを自分のくちばしの中へ放りこんだ。勢いよく食べていたから味なんかよくわからなかったよ!出された天ぷらを食べつくすとサイレンが鳴り出したんだ。

「なんとたった今、第一回世界鳥類早食い選手権大会の優勝者はアデリーペンギンに決まりました!初代チャンピオンです!優勝賞品は“天ぷら一年分”です!」

ってフンボルトさんがマイクごしにさけんだ。

「天ぷら一年分!?」

っておいらはききかえした。

「そうよ!揚げるのがすごくたいへんだったんだからね…早く受け取ってよ」

って大きな箱が運ばれてきた。また、天ぷらか?って考えていると、ダチョウがそばに寄ってきて、

「ぼくが絶対優勝だ!って信じていたのに、キミに負けるなんて…」

って涙ぐんだ。

「この天ぷら全部あげるから、泣かないでおくれよ」

つぎ

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