「今までずっとボクは宝物をさがして、世界中をまわってきた。これまで宝物といえば、金・銀・財宝だった。つまり、お金持ちになりたかったんだな!けれど、よく考えてみれば、お金持ちになってもたぶん、一週間もすればぜいたくなくらしにあきちゃうと思うんだ。そうすると、金・銀・財宝を掘り当てても、なんにもならないような気がするし、そこですべてが終わっちゃう様な気もするんだ。それが今回、温泉を掘り当ててみんなによろこばれて、なにかお金とはちがう宝物を見つけたような気がしたんだ…。ここで宝物をさがすのを止めちゃいけない、とも思うんだ。だから、明日からまた旅に出ることにしたよ。今までとはちがう宝物をさがしにね!」
「えっ!また旅に出ちゃうの?王様にマゼラン温泉って付けてもらったのに…今や、キミはみんなの人気者なのに…」 次の日、マゼラン君は小さなヨットで旅に出た。みんなで見送ったんだよ。おいらはヨットに乗ったマゼラン君に、 「また、絶対に帰ってきてね!」 ってさけんだんだ! 「いつか必ずもどってくるよ!」 ってマゼラン君はこたえてくれた。やがてヨットは水平線のむこうがわへいっちゃった。
おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。おいらはこのごろ、毎日、マゼラン温泉に入りにフェゴ島へいってるんだよ。 |