「鈍感だなんて…そんなこといちいち気にしていたら生きていけないよ」

って、マカロニ君がいったんです。

「せわしないんだね!キミたちは」

「又次郎さんはいろんな力を感じているんですか?」

ってきくと、

「当たり前だよ…だって僕は波野又次郎だよ!それにね、一日は着実に長くなっているんだ。地球の自転のスピードがおそくなっているからね。今は、一日24時間だよね。6億年前は一日22時間だったんだよ。キミたちトリは地に足をすえてもうちょっとじっくり生きたほうがいいんじゃないのかい?それじゃあ」

っていうなり、又次郎さんは海に飛び込んだかと思うと消えていなくなったんです。

「それでも、人間たちよりはマシよね」

ってフンボルトさんがつぶやいたんですよ。

 私めは一羽であの浜辺からの帰り道、波乗りの練習をしていたんです。とつぜん、大きな波にのまれちゃったんですよ。それまで海はおだやかでそれは変な波でした。私めはいっぱい海水を飲んでしまって、海面でむせていると、嵐でもないのにつぎつぎ高波が襲ってきたんです。私めは海にもぐって難をのがれたんです。すると、どこからともなくケラケラ笑い声がきこえてきたんです。それは又次郎さんのそれとそっくりでしたよ。


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