「どうしてここ、ダーウィンなの?」

「ここは、雨季には、ヘクターっていうものすごく大きな積乱雲が発生するからなんだよ。12月から2月が雨季だからこれから三ヶ月間が勝負だな。まずはレーダーやアンテナでヘクターつまりは雷雲をさがして、AMラジオで雷を探知するんだ。AMラジオは遠くで雷が鳴るとそれをひろってカリカリと、雑音が入る。それで雷雲を追いかけて近づいていく。いよいよ積乱雲に近づいたら、気球を上げてヘクターにどのくらい電気がたまっているのか?測って、それにレーザー光線を当てて雷を誘導するんだ。レーザープラズマに放電した雷の電気エネルギーをフライホイールっていう機械に貯めるんだよ。フライホイールっていうのは電気ではずみ車を回してそれでエネルギーを保存するものなんだ」

「雷をつかまえるだなんて…まさに雷ハンターだね!なんだかカッコいいなあ!」

「えっへん!ま〜あ、それほどでもないよ。雷のエネルギーはものすごく大きいからね、これを利用しないわけにはゆかないよ。なんていったって、一回の雷の電気エネルギーで、一世帯が使う電気エネルギーを一ヶ月間もまかなうことができるんだからね!」

 

 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。雷ってこわいけど、雷雲は気まぐれなものすごく大きい発電所でもあるんだね。

HOME