「へ〜、おじさんって小さいときからおっちょこちょいだったんだね!」

「あのなあ、ちょっとアデリー君、さっきから失礼なヤツだなあ!とうとうバカになっちゃっただの、酔っぱらっていて桜が目に入らないだの、小さいときからおっちょこちょいだのって…あのころから“おやつ”といえばお酒だったから、必ずしも間違っちゃいないんだけど…」

「おじさんはそんなころからお酒を飲んでいたの?」

「まあ、細かいことは気にするなって!…それで遠足のいきがけにナイショでチビチビやっていたんだ。旅先で飲むお酒っていうのはまわるのがはやいのか?酔いつぶれて動けなくなってしまったんだよ。そんなことが学校にバレて公になってみろ…私は退学だ!だからビクトリア先生はずっと私を負ぶってうちまで送ってくれたんだよ!そのとき、先生の背中でかいだほのかに甘い香水の香りが今でも忘れられなくて…とにかく、私が今ここにこうしていられるのも先生のおかげなんだ。ビクトリア先生には頭が上がらないんだよ。先生はお花とか木とか、植物が好きだろ?それに昔、先生が植物の中でも桜が一番好きだっていっていたことがあるんだ。だから私は桜を満開にして、ビクトリア先生に喜んでほしいんだよ!先生の微笑みはなにものにもかえがたいんだ。先生の笑顔が見たいんだよ!」

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