「フンボルトや!見せたかったものはこれだよ。ここはお前もいったように”死の谷”っていうくらいだからなんにもない場所だった。でもエルニーニョのおかげでここに雨がふったから、それまでじっとしていた植物がいっせいに花を付けたんだよ。たしかに、エルニーニョは世界中に災害をもたらす。けれどその反面、いつもよりハリケーンが発生する数が少なかったり、デスバレーに命をもたらしてくれたりもするんだ。なんといってもエルニーニョは神の子だからね!それにエルニーニョはいつまでもつづくものでもない。エルニーニョ(男の子)のつぎには必ずラニーニャ(女の子)がやってくるんだよ。
フンボルトや!地球の上で生きるものとして、自然をねじ伏せようとするんじゃなくて、災害もふくめた自然を受け止めるっていうのもたいへんだから、自然をサッと受け流す、やり過ごすくらいの気持ちをいつも心にもっていたいものだな!」
「わかったわ、博士!」
おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。ガラパゴス博士もたまにはいいこというんだね。 |