祈りによる世界平和運動/日本の科学が進む道
日本の科学が進む道
五 井 昌 久
終りなき大国間の軍拡競争
世界の何処の国の人々でも、自分の住んでいる地球滅亡の望んでいる人は、狂人意外には一人も存在しないであろうし、その地球の滅亡につながっている核戦争を望んでいる国も一国も存在しないと思うのだが、現在のままの世界各国のやり方からみると、いつまでたっても、核戦争の恐怖から逃れる得る時代がこようとは思われない。
米国、ソ連、中国とこの三大国だけの関係をみても、いつでも戦争の危機がはらんでいることを誰しも見逃すわけにはゆかないのである。この三つの大国の憎悪に充ちたやりとりをみていると、この三つの国が生易しいことで仲良くやってゆけるとは、如何なる楽観論者でも思うことはできまい。
そこで、各国がますます軍備に狂奔している始末なのである。これは現在の世界情勢や、今日の人類の精神状態では、万止むを得ぬ状態なのであろう。
ちなみに米国の国防費は、今年度(1964年)の予算をみると、497億ドル、日本の金に直すと、なんと17兆8,920億円という、実に膨大な金額なのである。
ソ連のことはよく判らないが、これも膨大な金額であることは間違いない。こうして世界の大国は軍備には惜しげもなく資金をつぎ込んでいるのであるが、この軍備に使う兵器類は、いずれも多くの科学者のたゆみない研究の成果によってなるものなのである。
ところがこうした軍備の他に、準軍備態勢とでもいえる、宇宙開発を米ソの2大国の間で、真剣に計画し、実践し競いつづけているのである。
米ソの宇宙開発計画の意図は、人類の為の宇宙開発ということも勿論であろうが、その根本のところには、相手に優先して、空からの軍備態勢を不動のものにしようという意図が深く蔵されていることをいなむことはできない。
この宇宙開発計画の予算も、年々膨大になってきていて、米航空宇宙局の発表によると、1958年には1億1,730万ドルであったものが、65年度の予算としては、53億400万ドルとなっているのである。
53億400万ドルというと、日本の金で約1兆9500億円という金額になる。日本の64年度の国家歳出予算金額は3兆2500億円であるのだから、宇宙開発のNASAの分だけで、その約3分の2にもなるのである。驚かざるを得ない。
日本は世界の平和に貢献する純粋運動を
さて私がここで申し上げたいことは、米国やソ連のことをとやかくいおうというものではない。こうした大国の国家予算と我が国とのいちじるしい差のことについてである。
我が国が如何に背伸びしてあがいたところで、米ソに比べて問題にならぬ国家予算なのだから、この予算を国家は最も有効に使わなければいけないということなのである。
ここで考えなければならぬことは、世界中が平和を望みながら、何故平和の方向に大勢が向かってゆかないのか、米ソの話し合いぐらいで、平和の方向に向かったなどというのは浅い考えである。それは只お互い同志が優位に立つ為の時間稼ぎといえなくもない。米ソ共に世界を平和にしたいには違いあるまいが、いつも自国が優位に起って、という気持ちがあるうちは、その気持ちだけでもうすでに平和にそむいているのである。
国と国との優位争いは、その心がそのまま戦争につながるのである。
そこで日本のように優位争いをする程に国家の財源が無い国は、そのこと自体が却って非常に幸福なことなので、世界の平和だけを、平等に公平な見地から考え得ることが出来る立場にあるのである。日本は今こそ、そうした立場に立って、世界の平和に貢献する純粋な運動を展開しなければならないのである。すべての能力を、世界平和達成という一点に集中する大運動を展開すべきなのである。
日本人の頭脳は、科学的にも優秀だとされている。そうした日本人の優秀な頭脳を、世界平和に貢献する科学の面に純粋に立ち向かわせればよいと思うのである。
世界平和に一番逆行しているのは、人類が持っている権力欲を頂点とした様々な欲望想念、不調和な想念である。こうした心の問題、想念波動の在り方を後回しにしての、世界平和運動などは事実は有り得ないのである。そこに気付く人が、科学的に物を考える人にも意外なほど少ないのは残念なことである。
調和と根底とした科学を切り開け
人の心の問題、想念の在り方の問題を、人々は宗教者のみにゆだねすぎている。心の問題は何も宗教者だけの問題ではないのだ。
陰イオンの発生器の出現で、不眠や疲れでいらいらしていた気分がすっきりとすがすがしくなる、ということや、超音波を医学に生かして傷跡を残さずに手術の出来る方法だの、テレビ、ラジオ等通信に用いている科学の方法のように、宇宙法則の調和を破らず、人類の平和に貢献する、といった科学の成果を、大きく広めてゆくことが実に大事なことなのである。日本が宇宙開発をやったところで、64年度の予算が8億五千万円なのだから、米ソの足下にも及ばない。日本の立場でやれることは、少ない予算で世界平和に貢献できる科学より他に方法がないのだから、心の問題、想念波動の問題に重点を置いた、日本独特の調和を根底とした科学研究方式を切り開いてゆくことが絶対に必要だと想うのである。それは単なる精神分析的精神科学のことをいうのではない。物質が原子、電子、中間子、波動というように深く掘り下げられていったと同じような、数式のともなった科学のことをいうのである。
宗教は祈りと愛行の実践に、科学は、原子や電子が、常に調和を求めて活動している根本原理に基づいて、共に宇宙の大調和をこの世に現わす道を突き進まねばならない。
調和を破る科学から世界平和は生まれでては来ないのである。
日本は、いつも大国の後を追い掛け回していることはない。こうした日本独自の科学的立場というものを、国家は是非とも、はっきりと計画して頂きたいものである。
(1964年記す)
☆世界平和の祈り 世界人類が平和でありますように
日本が(※自国が)平和でありますように
私達の天命が完うされますように
守護霊様、
守護神様、
五井先生ありがとうございます
☆この祈りは五井先生と神界との約束事で、この祈りをするところに必ず救世の大光明が輝き、自分が救われるとともに、世界人類の光明化大調和に絶大なる力を発揮するのです。
―【五井昌久先生の紹介】
大正五年東京に生まれる。昭和二十四年神我一体を経験し覚者となる。
祈りによる世界平和運動を提唱して、国内国外に共鳴者多数。昭和四十四年、ブラジルの権威ある団体より、宗教と哲学の探究者、世界平和の為に努力し、熱烈なる運動を展開する人道的思想家としてコメンダドールの称号と勲章を受ける。昭和五十五年八月帰神される。
☆世界人類が平和でありますように