五井先生巻頭言



             今 年 こ そ は

          

                          五 井 昌 久




暖房のよくきいた部屋に暫くいて、戸外の寒気にふれると、顔や手足に沁みこんでくる冷たい空気が、何ともいえず快い。
 冬には暖房が何よりも有り難いが、暖房の部屋ばかりにいて、戸外の冷気に触れずにいたのでは、これまた体にも心にもあまりよいものではない。
 暖気と冷気とが適当に調和された生活が、人間にとって、一番よい状態といえるのである。そういう点では、日本には春夏秋冬が実によく配分されていて、一年を通して人間の心身が最もよく調和され得るようになっている。こういう日本の風土には感謝せずにはおられない。
 こういう気温の問題と同じように、人間の精神に関することでも、あまり甘やかされた愛情では、立派な人間は出来ないし、といって、厳しすぎる教育を受けると、これもかたくなな人間になってしまったり、面白みのない人間になってしまったりする。
 そこで、中庸ということが大事であるといわれるのである。資本主義も共産主義も、右翼も左翼も、何か一方に片寄っているようだと、どうしても大調和な生活はその主義からは生まれてこない。
 大愛というのは、甘いように見えることもあれば峻厳そのものに見えることもある。
その時、その場、その人によって、自由自在にその時、その場、その人に一番必要な状態を現すものである。

 人類の生き方が、何れかに偏して動いているうちは、世界の完全平和は出来るはずがないので、各国各民族が、自国や自民族、何々陣営という立場だけで、どのような政策を講じようと、それは一時の手段方法にすぎない。
 ところが現在のように、各国各陣営が、さあ手を組もうと気楽に仲良くなるためには、あまりにも主義主張や利害関係に相違がありすぎる時代には、そう容易く中庸にたった政治政策が出来るものでもない。
 そこが問題なところで、その出来がたいところを、各国の政治指導者が、何かその穴埋め的な方法を考え出さなければ駄目だと思う。その大穴埋めをしてくれるのが、救世の大光明の働きなのであるが、まだその真理を各国の指導者が理解する時にはなっていない。
 こうした指導者たちに真理を知らせるためにも、世界中の想いを世界平和という想いに統一する、その祈り言である、私たちの提唱する世界平和の祈りを、一人でも多くの人たちに実行していただくための、大運動を展開してゆかなければいけない。今年こそより一層しっかり祈りつづけてゆきたいものである。


 


          【心はいつも青空】より



☆世界人類が平和でありますように