エンジンOHの簡単な流れ


各ハウジング、ローター、フロントケース、オイルパン、ショートパーツ等、とにかく、綺麗に洗います。各ハウジングの合わせ面、燃焼室面は、オイルストーンでこすり、バリ、歪み等をとります。

ローターハウジングはサンドブラスター処理をした物です。
現在使用しているガラスビーズが粗いので、色が白っぽくなってしまいます。
もう少し、目の細かいビーズにした方が綺麗です。

エンジン0Hに必要な測定機器です。
マイクロメーター
Vブロック
シリンダーゲージ
ダイヤルゲージ
シクネスゲージ
コーナーシール溝測定SST
ストレートエッジ

    エキセンの曲がりの測定です。
曲がりの測定は、実測の半分が実際の曲がりの量になります。

曲がりが限度値以上の場合は交換になります

ストレートエッジとシクネスゲージでサイドハウジングフロント、リヤ、インタメの歪みを測定します。縦、横方向の4カ所以上を測定します。

ダイヤルゲージを使用して、各サイドハウジングの摩耗を測定します。
サイドシールによる段付き摩耗、オイルシール軌道上のレモンエリア、ハウジング合わせ面の段付き摩耗(フレッティング)、コーナーシール、アペックスシールの摺動面の摩耗を測定します。

サイドハウジング類の歪み、摩耗の無い物でも、ウォータージャケットの浸食が深く再使用の出来ない物が随分有ります。もし、現在使用のエンジンで原因不明のLLCの減りが有る場合、この部分の浸食が原因かもしれませんよ。、

サイドハウジングの摩耗については、レシプロエンジンのヘッドの面研のようにして摩耗、歪みを削る方法も有りますが、加工精度、材質が硬く、コストがかかる、その割に、新品のハウジングの値段が安い等の理由で、基本的には、面研と言うことはやりませんが、チューニングしたハウジングには有効です。

  ローターハウジングの幅差の点検です。
最上点(基準値)、Lのプラグホールの延長線上の3点を計測、
幅差=基準点の幅ーLのプラグホール延長線上の3点の最小値を測定します。
幅差が限度以上の物は交換します。
その他、トロコイド面の縦傷で爪が引っかかるような物は交換です。

ステーショナリーギヤのメタルの打ち換えです。ギヤごと交換の時はこの作業は必要有りません。また、エンジンの仕様によっては、ギヤは新品でメタルをわざわざ中古の物にする時も有ります。
図はフロントのギヤです。リヤも同様にします。

メインベアリングのオイルクリアランスの測定です。
ギヤのメインベアリング(メタル)の内径を測定します。径の最長、最短もはかり、真円度も点検します。
真円度がかなり狂っている物は、ベアリングの圧入が上手く出来ていない物です。
その場合、もう1度圧入をやり直します。

エキセンのジャーナル径を測定します。
FD以前の車はオイルの通路の前、後ろでジャーナル径は同じですが、FDは前、後ろで径が違います。

ベアリングの内径ージャーナル径がメインベアリングのオイルクリアランスになります。
目標のクリアランスを得られない場合、メタルを再度交換します。
FDのようにオイルギャラリーの前、後ろでクリアランスの違うエンジンも有ります。