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パンチェッタ Pancetta

パンチェッタはイタリア式の燻製していない少し塩辛い生ベーコンのことです。アマトリチャーナなどのイタリア料理には欠かせない材料のひとつですね。イタリア製のものはパンチェッタ・アロトラータ(ロールタイプ/外見はロースハム状)とパンチェッタ・ステーザ(平のままで表皮付き)とがあり、アロトラータは前菜としてそのまま食べてもおいしいですし、料理にはステーザを使うほうが便利です。イタリア製は手軽にいつも入手できるとは限らず、国産のパンチェッタはたいてい燻製してあり、市販のベーコンを使うと当然燻製臭や化学調味料が強くて味が決まらないので、自家製で作るようになりました。

生ハムの作り方をまねて作っています。皮なしのステーザ式で作っています。イタリアで実際にどうやって作っているのかの詳細はわかりませんが、塩漬けや乾燥の期間はあまり長くないようです。以下に紹介するのは自己流の方法です。

とりあえず「自家製」のパンチェッタをご覧下さい。同じ日に各段階のものを撮影しています。

塩漬け1日目
 
 
乾燥1日目
出来あがっているもの。使っているので減っています。上のものは冷凍保存中のもの。下は小出しにして使っているものです。
 

 

作り方

方法は一見単純ですが、材料の入念な材料の選択や薬品の正確な調合がいります。そういう意味ではやさしくありません。おおざっぱに作ると失敗や健康上の問題が起こります。気合を入れて作りましょう。

 

【材 料】
 
豚ばら肉(黒豚の新鮮なもの)
  2kg
10倍希釈塩(後で説明します)
  14g
自然塩(加熱製塩のもの)
  60〜80g
 
【その他必要なもの】
 
  1個
チャック付きフリーザーバッグ(大)
  1枚
布巾(ガーゼなどでも可)
  1個
ペーパータオル
  1個
ラップ
   
たこ糸
  50cm
千枚通し(糸穴つき)
  1本
キッチンはかり(2kgを計れるもの)
 
レタースケール(10g前後を計れるもの)
 
専用に使える冷蔵庫
   

 

まず大切なことは、屠殺して24時間以内の黒豚ばら肉を入手してください(自社で枝肉に処理している肉屋さんと親しくなることが第1歩です)。黒豚という意味は美味しいのはもちろんですが、飼料が厳選されているため、肉や脂肪に残飯飼料などの臭みがなく、有害な細菌が少ないということです。SPF(特定菌種のいない)豚肉もありますが美味しいとは限りません。「東京X」などでもかまいませんが新鮮なものの入手が困難でしょう。屠殺して時間の経ったブランド品より地元で入手できる新鮮な黒豚のほうが適しています。新鮮なものは非常に柔らかです。肉が古くなると、細菌の増殖の問題ばかりでなく製造工程で有害物質(ニトロソアミンなど)が生成されやすくなります。

ばら肉2キロというのは、塩漬けの時に、チャック付きのフリーザーバッグ(Ziplockの大)にちょうど2つ折りでぴったり収まる大きさということです。なるべくバッグの空気を抜いて塩漬けするためにはこの重さが適しています。もし、大型の真空パックの袋や大きな冷蔵庫があるならもっと大きな塊でもかまいません。

ステンレス角バットは業務用の大きいもの(8枚取り)が深さもあり適しています。布巾(またはガーゼは清潔なものを用意します。ばら肉をバットに入れ、水道水を流しながら布巾で表面をまんべんなく軽くこすって良く洗います。表面に付いている血液などを洗い落とし細菌を減らすためです。バットに水を貯めた中にばら肉を浮かべ、余分なすじや分離した肉片は包丁で切り取ります。ばら肉を再度水でよくすすぎます。

ペーパータオルで肉全体の水分をきれいにふき取り、バットの中の水分もふき取ります。

ラップをキッチンはかりにかぶせて、その上でばら肉の重さをはかります。

ばら肉の重さをもとにして、肉2kgに対して10倍希釈塩が14g(肉1kgあたり希釈塩7gということ)となるよう、レタースケールで10倍希釈塩を正確に計ります。

さらに、これとは別に自然塩を肉約60〜80g計っておきます。自然塩によって塩化ナトリウムの含有量が違いますので各自で調整してください。とりあえず60グラム使っておき、2週間後に肉を味見して必要に応じて追加しても良いでしょう(パンチェッタはもともと少し塩辛めが本当です)。

バットの中の肉全体になるべく万遍なく希釈塩を振ります。さらに自然塩を振ります。全体を手で揉んで塩を馴染ませます(だいたいで良いです)。

あらかじめフリーザーバッグのチャック部分を外に折り返しておき、肉を2つ折りにして入れ、チャック部分に塩をつけないようにして、バッグ内の空気をなるべく追い出してチャックを閉じます。バッグに仕込みの日付を記入しておきましょう。

冷蔵庫のチルド室などに3週〜4週間入れて塩がしみ込んで熟成するのを待ちます。

3週〜4週間経ったら、袋から出してバットの中に入れ、水道水を流しながら布巾(またはガーゼ)で万遍なく表面を軽くこすって洗います。強くこする必要はありません。真水をつかうことで好塩菌が除菌されます。

ペーパータオルで十分表面の水分を取り除きます。

千枚通しを使ってたこ糸を通して輪にして吊るせるようにします。

冷蔵庫の棚を最上段を残して下を取り除き、最上段の棚に棒などを吊るして、これに肉を吊るします。

温度設定は低い温度(冷蔵の最低温度)でゆっくり1ヶ月ほど乾燥させたほうが熟成した味になります(15度くらいで1〜2日乾燥させて、それから低い温度で乾燥する方法もあります)。

赤身の部分が固く締まってきたら完成です。

出来あがったら、新しいバッグに入れて冷凍し、小出しに切り出して使うとよいでしょう。


 

この作り方では亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムを使っています。日本では硝酸塩(硝石)を使うことに対して反感的な感情が強いですが、使わなければ今度は「ボツリヌス菌」の繁殖を心配しなければなりません。ボツリヌス菌の出す毒素はフグ毒のような神経毒ですので、場合によっては呼吸麻痺で死亡する危険さえあります。非加熱のベーコンをつくるなら亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムは必ず必要だと思っておいて良いでしょう。もちろんヨーロッパから輸入されたハム、ソーセージやベーコンなどには硝酸塩が使われているはずです。日数をかけて肉自体が熟成してかもし出される熟成した風味や味を出すには硝酸塩が必須なのです。それでも硝酸塩に敏感な方に申し上げておきますと、野菜、例えば大根や特に大根葉にはここで使う濃度よりはるかに高濃度な硝酸塩が天然に含まれています。私たちは日常知らないうちに硝酸塩を食べているのです。

ヨーロッパではむしろグルタミン酸ナトリウムのような化学調味料に神経質で表示が義務付けられている国が多いのですし、市販の食品にもほとんど入っていません。十分熟成させると豚肉自体の熟成した旨味成分が出来ますので化学調味料など要りません。熟成した旨味のほうがもっとはるかに美味しいです。

10倍希釈塩をつくる

亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムは使う量が非常に少なく、肉の重さに対して100ppm (0.01% =1万分の1)の単位の量です。ということは肉1kgに対して0.1g単位の計量が必要になります。 そのままで計るのは難しいので「塩」で10倍に薄めます。これを「10倍希釈塩」といいます。分量を間違えないよう十分注意してください。自己責任で行なってください、当サイトはいかなる責任も負いません。

揃えるもの

キッチン用はかり
  秤量100gで1gを計れるもの
亜硝酸ナトリウム
  薬局で取り寄せ可能
硝酸カリウム
  薬局で取り寄せ可能
粒子の細かい岩塩
  アルペンザルツなど

キッチン用はかりより、ほんとうは上皿天秤ならもっと良いでしょう。正確なはかりがないときは、薬局にお願いして計ってもらう方がいいでしょう(私は薬局で調合してもらっています)。

 
亜硝酸
ナトリウム
(25g入)
硝酸カリウム
(500g入)
 
アルペンザルツ
(500g入)
 

 

10倍希釈塩材料
比率
調合量
亜硝酸ナトリウム
5%
25g 
硝酸カリウム
10%
50g 
岩塩(アルペンザルツ)
85%
425g 
出来上がり
100%
500g 

これはパンチェッタの1回分ではありませんよ。くれぐれもお間違えなく。密閉容器に入れて冷暗所に保管してください。

希釈塩を500g作ると計算上、肉70kg分ということになりますので数年間は調合する必要はないですね。

亜硝酸ナトリウムは即効性に働き、硝酸カリウムは後からゆっくり働いてきますのでどちらも必要です。岩塩は薬品を均等に希釈する必要がありますので固まりにくく、粒子の細かい塩が適しています。アルペンザルツがもっとも手頃でしょう。加熱してある塩なので細菌の混入の心配もありません。

亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムには細菌の増殖を抑える働きがあると同様に、高濃度では人間にとって有毒な「劇物」として害を及ぼすことを注意しておく必要があります。また、いずれも加熱すると強い酸化剤としての作用がありますので火気厳禁です。乳鉢などで強くこすって潰したりしてはいけません。残った薬品の保管には乾燥した冷暗所を選びましょう。子供の手の届かない安全な所に保管してください。

 

 

グアンチャーレ Guanciale

塩漬け中
スパゲッティー・カルボナーラには本来パンチェッタではなく、グアンチャーレを使います。グアンャーレは豚のほほ肉を塩漬けにしたものですがパンチェッタよりもっと入手が困難です。パンチェッタよりさらに濃厚なコクと風味があります。普通ブラックペッパーまたはレッドペッパーで風味を付けます。左の写真のものはブラックペッパーで風味を付けています。作り方はパンチェッタと同様の手法で良いでしょう。これは私もまだ、初めての挑戦なので、出来あがったら、また味のほうの報告をいたします。 ほほ肉は肉屋さんに塊で切り出してもらうように注文するしかありません。ほほ肉は入手困難な店が多いかも知れません。

 

 

 

 

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