イタリア料理でも特に南イタリア料理ではニンニクの香りをしっかり利かせます。とは言っても、ヨーロッパのニンニクは一般に辛くありません。日本で見かける中国産のニンニクは特に辛いので、国産のほうがいいでしょう。青森産(ホワイト六片)をよく見かけます。また、時に見かける薄紫色のニンニクは一般に上質です。ヨーロッパでも南仏など暖かい地方で6〜7月頃に取れるこの種のニンニクは甘くて香りの良い高級品です。
最も強く利かせたいときはみじん切りにします。そのほか、スライス、一片をつぶしたり、一片を丸のまま使ったりします。
普通皆さんが店頭で見かけるニンニクは干してあります。したがって芯は乾燥気味ですから、芯を取って使いましょう。一片を縦割りにして芯を取り除いてから、薄切りやみじん切りにしましょう。芯の部分は乾燥しているため焦げやすく、苦味や焦げ臭さの原因になります。また、取立てのニンニクでは芯は乾いていませんがやや青臭い匂いがします。
「丸のまま」はわずかに香りを付けたい場合に使う方法です。薄皮ははがします。この場合は芯を取らなくてもかまいませんが、「縦に割って芯を取る」ともう少し香りが強くなります。もう少し香りを強くしたい場合は縦割りにして芯を取ったものを包丁の平らな面で「押して潰し」ます。「スライス」はさらに香りを出すとともに料理の盛り付けにかけてクリスピーな触感を味わうときに使います。縦切りと輪切りの方法があります。「みじん切り」は最も強く香りを利かる方法で一度叩いて潰してそれをなるべく細かく刻みます。潰して刻むほうがただ単に刻むよりさらに良い香りになります。これはスパゲッティ・アーリオ・オーリオなどに用います。
ニンニクの香ばしい香りの出し方
冷えたフライパンかソテーパンにオリーブオイルを入れます。その中にニンニクを入れます(使い方に応じて切ります)。それから初めてコンロに火をつけて弱火で温度を上げていきます。油が少量の場合は鍋の片方に油を寄せてそこで加熱したほうがムラになりません。表面がうっすら色付いたら加熱を止めます。みじん切りの時はタイミング良く小鉢などに油ごと一度移したほうが焦げすぎの失敗がありません。スライスではキツネ色にカリッと仕上げます。丸ごとや潰したニンニクではうっすらと色づいた時点で取り出します。ニンニクを取り出した後、香りの付いたオリーブオイルで肉などを炒めると良いでしょう。
ニンニクのほのかな香りを出す
ニンニクの切り口で鍋の内側をよくこすり香りを移す。グラタン皿の内側もニンニクでこすると良いです。また、チーズ・フォンデュの鍋にも良く使う方法です。
ニンニクのコク・旨味を出す(ガーリック・ピューレ/ピュレ・ダイユ)
ニンニクに火を通してつぶして裏ごししたもので、フランス料理のソースに良く使われます。ニンニク臭さはなく、旨味が出るので応用範囲の広い方法です。一番一般的な方法はまず皮のついたまま水からゆで(ブランシール)て、それから皮をむき縦割りにして芯を取り、さらに3回水からゆでて裏漉しするという方法です。3回ゆでてからさらに牛乳で煮る方法もあり、これはもっと穏やかな仕上がりになります。皮のままバターで炒めたり、ゆでたものをバターで炒めて色付けすると香ばしい仕上がりになります。
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