*** 2002年08月某日 やっぱり言えないモン? ***


ある日の通勤電車での出来事。

朝のラッシュで非常に混雑していた。
私は相当無理な体制で、
立っているのがやっとだった。

次の駅までは5分。耐えるしかない。

そんな時。

後ろの女性が私の腰をぐいぐい押すのである。

痛い・・・・

グーで押されるので、指の関節が私の腰に
容赦なく突き刺さる。

ホントに痛い・・・・

「どうせならそこじゃなくてもうちょっと右・・」などと思いつつ、
この日は荷物も多く身動きが取りづらかったし
どうせあと数分とガマンした。

そしてやっと駅に到着。

やっとの思いで降りた私は、背中に軽いパンチを浴びた。

さすがにキレそうになった。
だって、満員電車の中で、足を踏んだり踏まれたり、
押したり押されたり、なんてことはある意味日常茶飯事。
電車に乗りなれてる人は、それくらいわかってるはずである。
満員電車に乗ってただけで
たまたまその女性の正面に立ってただけで
腰をぐいぐい押され
あげくの果てにパンチまでされたらたまったモンじゃない。
"たまたまそこにいた"だけで
痴漢と勘違いされてしまった
痴漢冤罪被害者の方につくづく同情した。

というわけで、
私:「何するんですか?」とその女性に言った。

そしたら、猛烈な剣幕でまくし立てられた。

女性:「こっちは妊娠してるから
おなかの赤ちゃんを必死に守ろうと
してたのに、なんなんですか?」


今思えばモーレツに後悔しているんだけど
この時は私もイライラしていて、
いやぁ〜なんなんですかって言われても
言ってくれれば気分よくガマンしたのに
と思って、言ってしまった。

私:「だったらこっそり言ってくれればいいじゃないですか」

女性:「恥ずかしくて言えるわけないじゃないですか!!(怒)
そうじゃなくてもまだお腹は目立たないから
ウソ言ってるって思われるのもイヤだし」


あぁ確かに、まだ3、4ヶ月くらいかな。

いずれにしても、いくら満員電車とはいえ
その女性にもお腹のあかちゃんにも
悪いことをしたと思ったので素直に謝った。

が、しかし。

「妊娠してるって、恥ずかしいことなのか?」

いや、違う、

「妊娠してるって言うことが、恥ずかしいことなのか?」

と、おなじ女性ながら真剣に考えてしまった。

痴漢されてて「やめてください」って言うよりは
こっそり伝えてくれるほうがよっぽど気楽だと思うのだが・・・

いや、でも、やっぱり電車の中で
赤の他人に言うのは恥ずかしいのだろう。

言える言えないも性格がゆえ、人それぞれだろう。

それとも、腰をぐいぐい押されてた時点で
私が「痛いです」って言えば
済んだ話だったのだろうか・・・

さすがに妊娠したことはないので、
彼女の心理はわからない。

なんだか複雑な心境である。