Viola diary
ヴィオラ日記


ヴィオラの弦について

 いろいろ弦を取り替えて試してみた。といってもそれ程お金をつぎ込んだわけではないのだが。

A線

 ある意味ではヴィオラらしいのだが、これが貧弱だとかすれヴァイオリンみたいな音になってしまう。他の弦に比べて耳につく音になってしまうので、なるべく柔らかい音の弦にしたいな、と思ってしまう。だが、そうすると伸びがなくなってしまう。ちょうどテノール歌手が余裕で歌う音域をバリトンが精一杯歌うのと同じように、ヴィオラのA線も、貧弱にならずに、多少耳についても張りがあって伸びのよい音が良いと思う。
 今はヤーガーを使っている。まあ、安易に多くの人が使っているようだから。なのだが。

C線

 C線といえばオリーブと相場が決まっているようだ。C線をオリーブにすると張りが強く、よく鳴ってくれて、コードを弾いたときも気持ちがいいし、アンサンブルでもヴィオラらしい音色が出せる。
 ところが、このオリーブ、肝心のときによく切れる。マーフィの法則ではないが、演奏会直前に切れてくれる!(だから、ギャラはオリーブの弦代として飛んでいってしまう)いつだったかは、本番5分前に切れてしまった。
 ところが最近、オリーブに代わる弦を発見した。コレルリ・アリアンスというフランスのサヴァレス社のもので、オリーブ並みの値段のテフロンの弦だ。オリーブよりももっと張りが強く、中身のある音がする。ただその分気をつけないと音の出だしが悪い。(慣れれば何ともないが)
 まだ、一ヶ月しか立っていないが、これで切れにくければベストチョイスと言いたい。これはいい!という乗りで、G線もコレルリにした。そうすると、Dが相対的に力不足になってしまう。ついでにDもコレルリにしたいが、それはモーツァルトのレクイエムのあとかな。
 なんと10月3日号の週刊文春の連載「読むクスリ」に、この弦のことが書かれているではないか。もともと日本のメーカーが釣り糸の素材として開発し、あるギターの先生がその釣り糸を使ってみたところとてもいい音がしたのでメーカーに知らせたのがきっかけだそうだ。
 ということで、やっぱりD線もたのも!

   (しばし経過)

 ということで、これを公開する前にD線もコレルリにしてしまった。
第1印象は「良く鳴る!」1時間くらい弾いてピッチもほぼ安定する。
同じ鳴る弦でもドミナントは、アマチュアのバリトン歌手。このコレルリは二期会のバリトンというイメージ。余裕のある鳴りかたといったらいいのだろうか。

 すっかり気に入ってしまった。うちのカミさん(Vn)をそそのかしてヴァイオリンにコレルリを使わせてみよう。うまくいったらレポートします。(96.10.18)

ところが!

1998年頃から全弦ともヘリコアにしている。よく鳴る点ではコレルリ並み。音の立ち上がりがよい。コレルリはかなり太めの弦だがヘリコアはそれほどでもない。

 1年くらい弾いて、取り替えると見違えるように音がよくなる、ということはそれだけ音の劣化があるということだろう。



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