楽譜書き込み例

楽譜の書き込みお見せします


 よい演奏のためには演奏しやすいパート譜を作ることが大切。そのために楽譜にいろいろな指示を書き込みます。指揮に関するもの、自分の演奏法に関するもの、いろいろありますが、実際の演奏時にパッと見てわかることが要件となります。楽典のように特にこれといった決まりはないようですが、実際に使った楽譜から主なものを集めてみました。多くのものはプロのオーケストラのパート譜に書き込まれていたものです。

 ついでに曲名を当てられるか挑戦してください。パートはヴィオラが大部分です。

ミュートをつけろ! ミュートをはずせ!



指揮が3つ振りになる部分。この例(カルメン・序曲)ではそれまで1つ振りだったのが、テンポがゆっくりになりこの小節だけ3つ振りになることを示している。

分割振りをする部分。このようにテンポの遅い中での細かい動きの部分は指揮の動きに注意してあわせる必要があり、このような書き込みは有効。ただし指揮者がいい加減だと書き込みも無駄になる。ドビュッシーの小品。ヴィオラはひたすらおもしろくない。

同様に2つ振りがここで4つ振りになる。下の波線はテンポがゆるむことを示す。もちろんこの後 a tempo。誰かさんのピアノ協奏曲イ短調。

うっかりすると1拍早く飛び込んでしまいがちな部分。指揮者のビートを2つ待ってから出るのだよ。予期されるリスクに備える例。

本来一つの音として延ばす部分だが、やむを得ず弓を返す部分。このような表記のときは、隣の奏者とわざとタイミングをずらすという奥の手が使われる。外側の奏者が先に弓を返す、などと決めておくとよい。小学生でも知っている超有名な交響曲。

指揮を見ろ!のメガネマーク。この例ではテンポがゆるむ例。ベートーヴェンの田園と対比されるブラームスの交響曲。12月にむけてさらってまーす!

若干の間を取ることを示す。この例ではフォルテシモでジャーンとやったあと、ちょっと間を置いてピアニシモで出る。アマチュアの定番のシンフォニーの第2楽章。

シンフォニーではこのようにリピートをしないことがよくある。ドミソの和音をこれでもかとしつこく繰り返し叩きつけておわる有名な交響曲の終楽章

このような音形が繰り返されるところでは、ボーイングを変えてしまう。ボーイングのマークよりもこのようにスラーをつけたほうがパッと見てわかりやすい。スラーではないよ、ということで一応ポチをつけておきましょう。超有名なホ短調のヴァイオリン協奏曲

以下は私が勝手に使用しているマークなどです。
指揮者を見る、というより、独奏ピアノの前打音を待ってはいること。ピアニストと指揮者がよければアマチュアでも充分楽しめる誰かさんのピアノ協奏曲。最後の大詰めの部分。

音程が低めになるので、意識して高めにとるように!シューベルトの有名な交響曲
2、1という指使いだが、「ずらし」(小さなポジション移動)が伴うことを示す。

同じ指で半音ずらしてとる場所。このあとすぐピアノ(マークが付いている)。分裂症ぎみのフランスの有名な交響曲。ブラスセクションが気持ちよく鳴らしている中で無駄な努力を強いられる曲。

五度を示す。ヴァイオリンよりネックが広いヴィオラでは、五度はとってもいやなもの。それだけに意識して指を押さえる必要がある。ヴィオラ・ジョークにも登場する有名なヴァイオリン協奏曲。



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