更新日:2010/08/15

JCtrl.exe ユーザーズガイド

はじめに

JCtrlでは、[無変換]キーを左手の親指で押しながら、別のキーを打ちます。以下のような場合は、JCtrlの良さが実感できないかもしれません。

逆に、以下のような経験をお持ちの人はぜひJCtrlを試していただきたいと思います。

ソフトウェアによっては、JCtrlが機能しないものもあります。

起動と設定

起動するには、インストール先のフォルダにあるJCtrl.exeJCtrlのアイコンをダブルクリックして起動します。

設定パネル

起動直後には、図のような設定パネルが開きます。それぞれお好みに合わせてチェックを入れてください。一番上の2つのチェックが入っていればJCtrlを使うことができます。

SandSとは、スペースキーにShiftキーの機能を与える機能です。スペースキーを押しながらアルファベットキーを押すと、Shiftキーを押したときと同様に大文字の入力ができます。

下の3つの設定は、拡張ローマ字「AZIK」の設定の一部を実現するものです。これらは日本語変換(IME)がONのときに有効となります。

設定を確認したら[最小化]をクリックしてください。以後は画面右下のタスクバーの中にJCtrlのアイコンがありますので、必要に応じてそのアイコンを右クリックしてメニューを選択してください。

JCtrlの期待効果は?

以下のデータは、実際に約2ヶ月間、私が仕事とプライベートでパソコンを使った時の打鍵数のデータです。いわゆる文字入力のために打ったキーの総数278,411回を基準にすると、実に4分の1の量にあたる回数、[Enter]と[Back Space]と[Delete]の3つのキーを使っていることが分かります。ですから、いくらタイピングが速くても、これらのキー入力が楽にできないことには、日本語の入力効率は上がらないということになります。あるいは、せっかくホームポジションに手を置いてタッチタイプを行っていても、4回に1回くらいは、ホームポジションから手を離してしまっている、というのが実態とも言えます。

(実際には[Space]キーも非常に頻度が高いのですが、[Space]キーを別のキーに代用させたほうが打ちやすくなるとはいえないので、ここでの議論には加えていません)
編集操作キーの使用頻度データ

効果的な覚え方

JCtrlに早くなじむためには、いうまでもなく、使用頻度の高いキー操作から覚えていくのがよいでしょう。前述のデータからも分かるように、まず頻度の高い3つの機能、つまり[Enter]と[Back Space]と[Delete]の打ち方から覚えましょう。

次に、4つのカーソルキーの打ち方……、こちらはキーの並び通りなので簡単に覚えられるでしょう。

たったこれだけのキーを、ホームポジションから手をずらさずに打てるようになるだけで、キー操作はずいぶんと快適に、なめらかになるはずです。

使用場面別のワンポイント

日本語変換操作

その他


Opt.1
Opt.2
Opt.3
Opt.4
Opt.5
Opt.6
Opt.7
Opt.8
Opt.9
Opt.10
PgUp
Tab
Home
S+←

S+→
End
Alt
^U
Tab/^I
^O
^P
PgDn
^BS



Del
BS
Esc
元に戻す
^S
^F
右クリック
拡張カット
^X
^C
^V
拡張貼付
窓切替
Enter
やり直し
Start
Desktop

ユーザ定義

JCtrlの実装プログラムでは、[無変換]キーと数字キーの組み合わせを、ユーザが定義できるオプション領域としています。実際の定義は、setting.iniというテキスト形式のファイルに記述します。このsetting.iniファイルでは、設定パネルで設定した情報も保持されています。

setting.iniの初期値は以下のようになっています。

[Setting]
;JCtrl
	JCtrl_enable=1
;SANDS
sands_enable=1
sands_ime_disable=0

sas_hs_ime_togle=1
azik_sokuon=0
azik_chouon=0
azik_hatuon=0

[Application]
word=2007
ime=ime2007

[KeyDefinition]
1={Alt down}{LWin down}1{LWin up}{ALT up}
2={Alt down}{LWin down}2{LWin up}{ALT up}
3={Alt down}{LWin down}3{LWin up}{ALT up}
4={Ctrl down}-{Ctrl up}
5={Ctrl down}+{Ctrl up}
6= 
7=
8=
9=
0=

上記のうち、後半の[KeyDefinition]以降のセクションがユーザが定義できる部分です。1=、2=の部分にそれぞれ[無変換]+[1]、[無変換]+[2]を押したときの動作を指定します。指定しない場合は、=の後に何も書かないままでOKです。

サンプルとして設定してある機能は、いずれもWindows 7 で使えるものです。1〜3は、タスクバーに固定したアプリケーションのジャンプリストを開く動作を示しています。たとえば、[Alt]と[Win]を押しながら[1]を押す、という動作を{Alt down}{LWin down}1{LWin up}{ALT up}と記述しています。

ところでこのジャンプリストですが、とても便利なので、Windows 7 ユーザはぜひ使ってみてください。よく使うアプリケーションで、最近使ったファイル、あるいは、いつも特定のファイルを素早く開きたい場合に有効です。たとえば、私はWord、Excelをタスクバーに固定していますが、JCtrlを使うと、[無変換]キーを押したまま[2]、[D]、[M]と押すだけで、いつも使うExcelのファイルを開くことができます。Microsoftのサイトでの動画での説明はここ

なお、このユーザ定義部分の記述の仕方は、「AutoHotkey」でのキーの記述方法に準拠したものである必要があります。


Copyright K. Kimura (2010)
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