鉄マンガン重石 (Wolframite)
(Fe2+,Mn)WO4
茨城県高取鉱山
高取鉱山は気成鉱床(グライゼンを伴う、高温のガスが岩石の間を埋めて鉱物を晶出させてできた鉱床)と呼ばれるもので(異論もある)、石英と雲母から成る変成岩を作っている。
写真の鉄マンガン重石はこの鉱山の主要な鉱石で、石英の中に黒い結晶が入っている。ここではこのほかに、錫石、菱マンガン鉱、トパーズ、蛍石など、気成鉱床では特徴のある組み合わせの鉱物を産した。
現在鉱山は閉じているが、比較的近年まで稼行していたところである。
重石はタングステンの鉱石で主にスカルンやペグマタイトで見られる灰重石や、鉄分の多い鉄重石、マンガンの多いマンガン重石があり、マンガン重石は褐色でやや透明感がある。これは鉄重石とマンガン重石の中間的な存在で、従って鉄マンガン重石となっているが、近年この呼び方をやめる方向で動いている。

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