ステラ沸石 (Stellerite)
CaAl2Si7O18・7H2O
中国湖北省黄石市大冶市鴻家山鉱山
沸石の中では同じような結晶を作るものを、その原子配列の配列上の共通点から区分けすると、ステラ沸石は輝沸石-束沸石群に属し、構成元素も束沸石とほぼ同じものになっている。
束沸石と違う点は束状にならないということ。一番下の拡大写真の方で確認してもらえると良いと思う。
これは同じ標本を一番上の写真を正面とすると、真ん中は裏側になる。標本の横幅は6cm。
この標本では緑色の透輝石、肌色のグロッシュラー、白色〜無色透明の方解石、トカゲ泊を呈した黄銅鉱が共生していて、スカルンの産状だったことが解る。たいていは安山岩や玄武岩の晶洞中に見つかることの方が多い。
正面からの写真だと結晶の頭の部分が集合していてもこもこした感じしか解らないが、結晶を横から見えるように撮影した裏側の写真では細長い6角形板状結晶の集合体であることが見える。束沸石の場合はこれが更に下側に伸びて交差したような感じの集合を作るので、細長いものを束ねた姿になる。これは結晶系の違いで、ステラ沸石が斜方晶系なのに対し、束沸石は単斜晶系になる。
ところで、日本産鉱物種の理想化学式を採用したが、「沸石読本」加藤 昭 著 関東鉱物同好会編(1997)によると、束沸石の理想化学式もこれと全く同じだった。日本産鉱物種の方では、束沸石は含まれているナトリウムとカルシウムの違いから灰束沸石とソーダ束沸石に分け、理想化学式も更に複雑になっている。この辺の所はアマチュアが口を挟むところではないのでそういうものか、と言うところで納得をしておこう。

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