くさび石(スフェーン、チタナイト) (Sphene)
CaTiSiO6
愛媛県五良津山
ここもたくさんの鉱物結晶を産したところで、低温高圧型の三波川変成帯が分布する所のうちもっとも圧力の高かったところにあたる。三波川変成帯とは、地名としてはあまり知られていないが群馬県の鬼石(おにし)町三波川に由来し、すぐ隣の埼玉県長瀞を代表する結晶片岩が広く帯状に分布しているところで、ここから長野県を経て中央構造線に沿って四国に伸びている。東側の方は地中に埋もれているためか観察されていない。
四国のこの辺りは別子銅山に代表される含銅硫化鉄鉱鉱床(いわゆるキースラガー鉱床)が点在している。ちなみに茨城県の日立鉱山もキースラガー鉱床だと言われているので、この辺りが鍵になるのかもしれない。
このくさび石は神岡鉱山の近くに存在する伊西モンゾニ岩中に見られるものとは産状が大きく異なっている。

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