くさび石、チタン石 (Sphene, Titanite)
CaTiSiO5
Mt. Kukisvumtschorr Chibiny, Kola, ロシア
所変われば品変わるの例?
くさび石は形状からつけられた名前で、くさびの形をした結晶をすることが多いが、この標本の「くさび石」はむしろ「たがね石」の集合みたいな感じがする。標本の横幅は10cm。
産地から察するとおり特殊な鉱物が多産した有名なロシアのコラ半島のものである。そこから、黒い鉱物はエジリン(錐輝石)、赤い鉱物はユージアル石、灰色の部分は霞石と察しが付く。
一見すると緑簾石の麦わら色の結晶とよく似ているかもしれないが、よく見ると実はこのたがね、微妙に曲がっているのである。上から撮影した右側の写真の方がわかりやすいかもしれないが、どことなく物差しを両脇から手でちょっと挟んだときのようにたわんでいる感じがある。

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