水晶 (Quartz)
SiO2
山梨県乙女鉱山
それぞれ左が7cm。右が6cm。
ほぼ完全に無色透明で表面に鉄さびがちょっと残っている。
山梨県の塩山から牧丘に入り、さらにずっと北西に進むと乙女鉱山がある。鉱山の敷地内の真ん中に荒川が流れていて、嘗てはここを境に西側は甲府市だったが、この標本は東側の牧丘町だったほうで見つけたもの。
乙女鉱山は元々タングステンの鉱物である重石類を採掘していた鉱山であるが、石英脈が非常に良く発達していて、大きな水晶を多産したところでもある。中でも蝶が羽を広げた形に見える日本式双晶は有名。
この辺りは、閃緑岩の中にいくつかの石英脈がレンズ状に入っていて、後に鉱山ではこの石英を光学レンズ用に採掘していた。
かなり山奥にはいるがそれでもたいてい誰かしら来ていた。ここには1995年頃2回訪問した。
これは完全に鉄さびにおおわれていて、右のものなどはさびたタガネにしか見えなかったが、きっと呼ばれたのだろう、無意識によっていったところ、崩れた坑跡の脇にポケットみたいな2mぐらいの空間があり、そこに置いてあった。誰かが残していったものかもしれない。ならばその方に感謝しよう。

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