パイロクスマンガン石 (Pyroxmangangite)
(Mn,Fe2+)7Si7O21
愛知県田口鉱山
田口鉱山は嘗てたくさんのマンガンを資源として採掘していた鉱山である。非常に多種類のマンガン鉱物を産したが、田口鉱山を世界的に有名にしたのはこの鉱物、パイロクスマンガン石の良晶をたくさん産出したこと。その中のいくつかは宝石用にカットされている(神奈川県の『県立生命の星・地球博物館』にはかつてカット石が展示されていた。現在は展示をしていない。開館当時は国内の宝石鉱物をいくつかカット石の形で紹介していたのだがどこへ行ったのだろう。激しく再展示希望)。
この標本は母岩となっているバラ輝石上に黒いピッチ状のネオトス石が覆い、その中にパイロクスマンガン石の結晶が入っている。結晶は小さいが、紅色透明である。ネオトス石を掻き落とすとさらに結晶が顔を出すと言うが、そのままにしている。細かい結晶がいくつか付いていて、結晶面も見える。これは透明なタイプ。
また透明ではなくややオレンジがかった半透明の結晶もある。
現在ズリで良晶を探すのは困難である。

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