黄鉄鉱(パイライト) (Pyrite)
FeS2
神奈川県渋沢鉱山

これはわたしが採集した鉱物の中では一番古い物で、すっかり色が変わってしまっている。元は淡い真鍮色だったが、くすんだ銀色になってしまった。今思えば楽しい時代だったなぁ…いやそんなに年はとってないよ。ただ、今の心拍数でいくとわたしは3年くらい前に寿命が来ているそうだ………3年も儲かったと考えようそうしよう。いや単に頻脈なだけで…。
左側の標本の方が大きく横幅1.5cm。渋沢鉱山では大きい方だ。
渋沢鉱山は黒鉱鉱床(海底に噴き出した熱水から堆積した鉱物からできている)の小規模な物で、基本的に石膏が中心である。ここでは試掘跡が残っているが、鉱山として稼行した記録はない(雪花石膏のページを参照してもらえるといいです)。
坑跡の前を掘ると粘土が出てくるので、それを水に溶かしながら篩(目の細かいもの)でより分けると、小さい黄鉄鉱の結晶がたくさん篩の中に残る。ここのは8面体の物が多い。
また、一緒にβ石英(573℃以上)の結晶も見つかるので、高温による晶出だったことがわかる
黄鉄鉱は普段一番目にすることが多い硫化鉱物で、大抵の鉱山跡に存在する。
また火山岩などに含まれて入っていることもあり、道端や駐車場の敷石など、なにげに拾い上げた物の中に入っていることもあり、気をつけてみるとかなりいろいろなところに存在することに気がつくと思う。
比較的結晶を作りやすく、大抵はサイコロのような6面体や5角12面体を作るが、8面体を作ることは希である。
黄銅鉱との区別は結晶の形や表面の色、硬度などで行い比較的区別しやすい。
黄鉄鉱は普通に見られる鉱物なので、真鍮色に光る鉱物があったらまずこれで間違いない。

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