白雲母 (Muscovite)
KAl2(AlSi3O10)(OH,F)2
茨城県山ノ尾
多くの方は石榴石や緑柱石を目指しているのでこういうものにはおそらく目もくれないのであろうと思われる。よく見ると小さいながらかなり魅力的な姿をしている。嘗てはもっと立派なものもあったのだろう。
名前の由来はロシアの首都モスクワにあるのでモスクワ石なのだろう。もっともこれはウラル山脈から運ばれてきた鉱石がここに集積されたから着けられた名前だそうだ。
電気を全く通さないので絶縁体として利用されている。また熱もほとんど通さないので嘗てはストーブの覗き窓にはめられていたりした。
山ノ尾では黒雲母よりも白雲母の方が多く、ちゃんとした結晶も白雲母の方にある。
ペグマタイト中にはこの標本のように大きく結晶の発達した物を産する。黒雲母でもそうであるが、広域変成岩(結晶片岩)中に含まれる雲母(雲母片岩など)は細かい結晶が一定方向に集まっている。
さらに細かい物は絹雲母と言うが、こちらは熱水鉱脈中に産し、愛知県や山梨県で採掘された。これは肌をすべすべにする性質があるので化粧品などに用いられている。

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