水銀(自然水銀) (Mercury)
Hg
Almaden, Ciudad Rel, Castile-La Mancha, スペイン
水銀は常温で液体の鉱物である。銀色の細かい珠が水銀。赤いのは辰砂。
水銀は表面張力が強く、紙とかに染みこまないし、感じとしては里芋の葉に水滴を垂らすとはじいて水玉がころころと転がる、あれと同じ。
これはケースに固定されて入っていて、ケースの蓋はセロテープで完全に密閉されてある。まぁ蒸発することはないだろうが一応有害物質なので。従ってケースの蓋の上から撮影した。ちょっとぼけているのはそのせい(だよきっと)。
これは金を溶かしてアマルガムを作る。江戸時代の金の精錬法はこのアマルガム法を使った。少し前まではブラジルのアマゾン川中流にあるマナウスでアマルガム法を使って採金していたが、水銀が川に流出して川の魚に蓄積され、水俣病と同じ公害が懸念されたことがあった。
現在はシアンを使った青化精錬法と電気分解で回収している。実はこれも、国内で一度環境問題になったことがある。昭和54年、台風22号によって、伊豆の持越鉱山の鉱滓堆積場のダムが崩壊し、シアン化合物を含む約10万トンの鉱滓が持越川から狩野川を経て駿河湾に流れ込んだ。狩野川は天然鮎で有名だが、かなり大きな被害が出たのを記憶している。

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