含マンガン緑廉石 (Manganepidote)
Ca2(Al,Fe3+)3(SiO4)2(OH)
West Sahara モロッコ
どの程度マンガンを含むのかはわからないが、姿形からして紅廉石ではいけないのだろうかとちょっと疑問に思う。既に緑ではなくまさしく紅である。
非常に細かい細い結晶が簾状に集合している。細いので比較的もろい。標本ケースの中に欠片が散らばっている。大きな結晶があったらどれだけ話題になるだろう?っていうか、おそらくあるのだろう。
モロッコはサハラ砂漠の北西の端にあたる。アトラス山脈が東西に延びていて、アトラス山脈の北と南では気候が大きく変化している。地中海に面している北側は比較的過ごしやすい場所である。ところが近年の温暖化のせいで砂漠が広がってきているという。砂漠の砂は風によって風化された岩石の中にあった石英が飛ばされて集まってきたもので、透明なガラスの粒のようなものだ。
もし緑廉石が石英と同じような硬度だったら、そして石英と同じ量存在していたとするならば砂漠の砂の色はとてもすてきなものになっていたかもしれない。そういう想像をさせてくれるうちはいいが、深刻な社会問題となってしまってきている今となってはロマンティックさは微塵もない。これは警告の赤なのだろうか?

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