カルパチア石 (Karpatite)
C24H12
Los Picachos, San Benito Co. California, U.S.A
黄色い鉱物がカルパチア石。小粒で赤いのは辰砂。
炭素と水素でできている有機鉱物で、有機物というよりは珪酸塩鉱物のように見えてしまう。石英の中に入っているが、これは熱水鉱脈鉱床中にできている鉱物で、カルパチア石を構成する有機物は堆積物に由来する。一緒にある辰砂の水銀も堆積物からできているという。
カルパチア石は紫外線で黄色く蛍光するが、元々黄色だからそれほど驚かないのかも。
それよりは有機物が鉱物となっていることの方が驚きである。有機物というとどうしても柔らかい、暖かみがあるイメージにとらわれてしまう。普段接している有機物がそういうものだからなのかもしれないが、この鉱物も火をつければ燃えるわけで、ある意味暖かいのかもしれない。色が黄色いのも暖かさの現れだと思うと鉱物に対する感じ方も変わってくると思う。色や特徴はアダム石に似ているが、アダム石には暖かさというものを感じない。もちろん鉱物ができる環境というものは一部の例外を除き手に触れられない熱い場所である。冷めてしまってからの鉱物というものにどれだけ気持ちが傾くかで感じ方が作られていく、そう思っていただけるとうれしい。

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