翡翠(ひすい輝石) (Jadeite)
NaAlSi2O6
新潟県姫川
ひすい輝石の名で購入した物。姫川の礫ということなのだがどうだろう。
ひすい輝石はいわゆる硬玉といわれる物で、ひすい輝石の結晶が無数に絡み合ってできているため非常に割れにくい。結晶の大きい物は細長い様子を見ることができるが、この標本では全く確認できない。一応宝石としては結晶が見えないこと、特有の緑色で透明感のある物を良質としている。
小滝のひすいはアルビタイト(曹長岩)中にある。
ここは糸魚川-静岡構造線のすぐ上にあり、付近には蛇紋岩が分布している。ひすい輝石はこの蛇紋岩と密接に関係していて、国内で確認されている産地は蛇紋岩地帯にある。蛇紋岩は地中かなり深いところで上部マントルの橄欖岩が風化してできた物で、断層活動によって地上まで持ち上げられた物といわれている。このことは静岡側にも浜名湖の北(引佐)にひすい輝石の産地があるが、ここも蛇紋岩が広く分布しているところである。
後になってこの緑色はオンファス輝石によるものだと言うことが明らかになった。他の産地、たとえばミャンマー産のひすいがオンファス輝石による緑色をしているのかどうかは確かめられていない。以前はクロムによる発色とされていた。

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