イネス石 (Inesite)
Mn7Ca2(Si10O28)(OH)2・5H2O
静岡県河津鉱山
河津鉱山の主要な鉱脈鉱石で、この石の中から金・銀を採りだしていたという。銀黒という形でイネス石中に輝銀鉱の細かい集合が含まれている物も見つかる。
ピンク色から赤紫色まで、割った瞬間に出てくる色の鮮やかさには思わず心奪われてしまう。しかし次第に色褪せてだんだん茶色に変わっていく。この標本は13年前に採集した物であるが、遮光して保存していたのでそれほど変色してはいなかった。
ズリではたいてい肌色〜茶色の外見をしているので、そういう物をハンマーで割ってみると綺麗な部分が出てくる。なかなか簡単に割れないのだが。白っぽいピンク〜肌色の部分は菱マンガン鉱。
現在海外の産地では良品が期待できないが、国内にはまだ産地が残っている。
ここでは空色のヨハンセン輝石も見つかるが、採集はかなり厳しかった。何とかわかる程度の物しか得られなかった。
これも三斜晶系なので刀状の結晶が放射状に集合している。
嘗てはマンガン沸石と呼ばれていた物。
しかし、ATOKでイネス石を変換すると何でそういう漢字を出すかな。

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