ダイヤモンド (Diamond)
C
Miba Mine Mbuji Mayi Kasai-Oriental, コンゴ
ちょっとホワイトバランスが悪く若干黄色くなってしまったが、後ろの綿は純白。ダイヤモンドの方の色はほぼ再現できている。と言ってもうちのディスプレーでは、ということなのだが。
いろいろと話題の絶えない鉱物であり、大規模に採掘されているわりに標本市で目にすることはほとんどなく、当然宝石市場の方に行ってしまうからであるが、こういう黄色いものは宝石として取引されることはほとんどなく、こうして鉱物愛好家のもとへとやってくる。
炭素原子が三次元的に結びついていて、高温、高圧下で結晶が作られるため、地殻内ではなくマントル内部でできたものとされる説が有力である。そうしたマントルの一部が一気に地上に吹き出した場所と言われるところが世界に何カ所か有り、そこではキンバレー岩という岩石が存在する。ダイアモンドは主にキンバレー岩から採掘されている。他にはエクロジャイトから見つかるものもあり、こちらはキンバレー岩のものよりも低圧条件での形成になる。
ダイヤモンドの中では地球が形成された当時と同じ年代にできたとされるものも見つかっていて、とかく謎の多い鉱物でもある。
近年では人工的に合成され、人工ダイヤモンドとして主に工業用に使われているが、宝石としてカットできるサイズの結晶を人工的に、採算のとれる形で作る技術は今のところない。地球内部と同じ環境を研究室で再現するには大がかりな装置が必要になるし、結晶を成長させる時間(少なくとも一年とかという単位ではない)の確保という、一番やっかいな課題が残ることもある。おもしろいのはメタンガスなどを使ってプラズマによってシリコン上にダイヤモンドを作るという技術があること。この場合はどのくらいの圧がかかるのかちょっとわからないが、この先見込めるのはこちらの方法からだろう。
宝石としては現在オーストラリアのものが一番高価で取引されている。ピンクダイヤモンドである。0.02カラットというものを手に取ってみる機会があったが、2万円也のお値段が付いていた。うひょー…もちろん買わなかったよ…

HOME